ツンデレ史概論

2005年12月5日 日常
ツンデレ史概論
今年の流行語対象は刺客でもクールビズでもなく”ツンデレ”。そんな顔すんなよ。みんなだってそう思ってるだろ?

現代用語の基礎知識にエントリーされたり、アエラが「男性に受ける秘訣はツンデレ!?」とか電波記事を載せてみたり、ヒロインがオールツンデレっていうおかしなゲームが発売したり。

最近にわかにもてはやされる様になったツンデレだけど、起源はかなり古くて、古代バビロニアにまで遡れる。当時ハムラビ法典下で主人に無礼を働いてしまった一人の奴隷(美男)がたまたまその主人(女)に咎を赦された故事がその元。そのときその主人が言ったとされる「勘違いしないでよね!あんたみたいな身分の卑しい奴隷の耳なんか切ったって気持ち悪いだけなんだから!」は3000年以上経った今でもツンデレのテンプレートなんだからその伝統と格式たるや相当なものですよね。

ちなみにツンデレが社会的に広まったのはずーっと歴史が下って黒死病祭中のヨーロッパ。社会不安が増大して厭世的・刹那的な風潮が広まる中、普段虐げられていた女性が言いたいことを言うようになったのがきっかけ。旦那と喧嘩したけど別れたままじゃいられない、でも自分から頭を下げたくない……この時代の女性に良く見られたそんな思いがツンデレをヨーロッパの女性に根付かせたようです。

その後はローマ教皇が「女性は女性らしく」とか言ったおかげで下火になりましたが、1970年代のアメリカで起こったウーマンリブ運動をきっかけにツンデレが見直されるようになりました。サルトルの事実上の妻でもある作家のボーヴォワールは著書「第二の性」の中で「人は女に生まれない、女になるのだ。あとツンデレにもね」と記しています。

日本でも最近の女性の社会進出を背景にツンデレが存在感を増してきましたが、こんなに歴史のあるものだったんですね。

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