評価:☆☆☆★★

ラノベ(オーフェン)を小説に含めていいなら5年ぶり、そうでないなら14年ぶり(「謎解きはディナーのあとで」で一発当てる前の東川篤哉が好きだった)に小説読んだわ。というか新オーフェンて女神未来(下)からあとも出てたんですね。うーん、今更読むか?原大陸編は絶望感すごくて読むのにパワー使うんだよなあ。

きっかけはオモコロのダ・ヴィンチ・恐山が好きな小説でこの本を挙げてたこと。
図書館に丁度あったし、タイトルからしてどんな内容か予想ができないから読んでみた。

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内容は表題作含む6篇からなる短編集。
どれも斬新な切り口でどこに連れてかれるか分からない、うすぼんやりした霧の中を歩くような話。惜しむらくはどれもこれもオチが弱い。というか作風なんだろう、霧が晴れたら自分がおっかなびっくり歩いてたのは見晴らしのいい平原だったかのような、あるいはボケ倒して最後までツッコミがない漫才を見せられたかのようなスッキリさせない読後感がある。
発行は1987年。現代が舞台ではないし時代劇でもない。ドラクエ3発売で列島が揺れる3ヶ月前の世界を垣間見ることができると考えると、不思議な時代だ。

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以下、各編の紹介。
・猿蟹合戦とは何か
太宰治は「お伽草子」でなぜ猿蟹合戦を取り上げなかったのか、子蟹が親の仇を討つという、軍国主義の日本で賛美されそうなテーマなのに。いや、だからこそ太宰の反骨精神が煌めいたのか?それだけではあるまい。猿蟹合戦がいかに驚くべきテーマを内包した作品なのかを「わたし」が論じていく。

・国語入試問題必勝法
国語って正解がふわふわしてるし、「作者の気持ちを答えろ」なんて作者でもないのに分かるわけないじゃん!と嘆く生徒のもとへやってきたのは国語試験問題のプロ。「入試で文章なんて読むな」と断言する先生の独特な指導のおかげで生徒の成績はみるみる伸びはじめ――?

・時代食堂の特別料理
流行っていない小さなレストラン。「わたし」がそこを訪れるとシェフとボーイは注文を取るでもなく一品を差し出してくれる。それは自分の記憶を呼び覚ます料理であり、口にするだけで意識は遠く過去へ遡っていく。そんな店を出すシェフの目的とは?

・靄の中の終章
起きて何時間も経つのに息子の嫁は朝ごはんを食べさせてくれない。自分を邪魔な老人だと思ってるんだろう、許せない。誰のおかげでこの家に住めると思っているんだ、と叱ったら「朝ごはんはさっき食べたでしょ」と。そんなバカな、自分はボケてしまったというのか、そんな筈はない。だいたい朝ごはんを食べてないから頭が回らないんだ。起きて何時間も経つのに息子の嫁は全く飯を用意しない。自分を邪魔な老人だと蔑んでいるに違いない……。

・ブガロンチョのルノアール風マルケロ酒煮
料理に関する小話を紹介しながらブロガンチョのルノアール風マルケロ酒煮を作っていく。最近はスーパーでブロガンチョが手に入るようになったし、ケケシラガもドビンガル料理の専門店には必ずと言っていいほど置いてある。あとは男の料理ということで大雑把にマルケロ酒をドボドボ注いで、煮込む時間でオードブルも作りましょうか。

・人間の風景
ポルノ作家の「わたし」のもとに老人4人が書いたリレー小説を評価してくれという依頼が舞い込む。小説など書いたことがない4人による合作は思いもよらぬ方向に進んで――?

☆★☆★☆★☆★☆★☆★
今後は小説もちょいちょい読んでいきたい。長編は人物の掘り下げを理解するのに疲れるから、純粋にお話の展開やギミックを楽しめる短編が好き。
評価:☆☆☆☆☆
人類の拡散と文明の曙、近世の興亡に至るイベントを、当時の気候という切り口から再評価する内容。
チャプター冒頭に要約が入り、小見出しで何年頃の話なのかを表示、評価軸も温暖だったか寒冷だったかという2軸評価でとにかく分かりやすい。

・かつて巨大な淡水湖であった黒海沿岸で農業がはじまったが、温暖化の影響でマルマラ海を超えて黒海に海水が流入し沿岸の農業が壊滅したことで各地に農民と農業技術が広まった。

だとか、
・温暖化で高緯度地域の氷床に積もった雪が融けだして融水湖を形成、じりじりと水位が上がって、あるとき堰を切ったように(文字通りだ)大量の真水が海へ流れ出ることで周囲の塩分濃度が低下=凍りやすい状態になった。海が凍ることで海流が妨げられ北大西洋ではメキシコ湾流が弱まって寒冷化が進んだ。

なんてメカニズムは目から鱗。日本ではその頃どうだったのかを文献から読み解いたり、バイキングのグリーンランド入植について「その頃は暖かかった」、その後の全滅は「それから寒くなった」と快刀乱麻。この辺はジャレド・ダイアモンドの「文明崩壊」でも読んだけど、一層分かりやすかった。

結びは、温暖化が叫ばれてるけど地球の歴史上「ちょっとずつ寒くなった」なんてことは皆無で、環境は「常に激変する」ものなんだ。しかも現在はパラメータが多すぎて未来予測なんて誰にも出来やしないよ、という感じ。無責任な人類への警告系じゃないのもポイントが高い。

難点はとにかく図やグラフが読みづらいこと。解像度が低くて数字がぼやけてたり棒グラフの色分けが白黒なのにグラデーションばっかりで何が何やらだったり時間軸を「AD◯◯(年)」にすりゃいいところを「◯◯年前」にしてるから直感的に分かりづらい上にグラフが→じゃなく←に向かってるのも違和感。

それでも十分に読む価値がある。なんか文庫も出てるみたいだから手元に置いておきたい。積んでる本を読み終わったらね……(漫画約130冊、新書・文庫・ハードカバー12冊)。
評価:☆☆☆☆★

仏教の発祥と分派について、著者がどこかで講義した内容を文書化、という感じだろうか。話し言葉だから非常に読みやすい。

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・印欧語族はアーリア人とも呼ばれている。今でこそ中央アジア発祥でヨーロッパやイラン、インドに広がったことが分かっているが、そこまで研究が進んでいなかった時代――第一次大戦後のドイツで、アーリア人=ドイツ発祥で、かつては中央アジアからイラン、インドまで征服した優秀な民族だというナショナリズムの高揚が起こった。なぜそんな優秀な民族が戦争で敗北し負債を負わされているのか、それは国内に獅子身中の虫、セム語族のユダヤ人がいるせいである、という理論を押し通した。

・カースト制の問題は時代遅れだとかそういうものではなく、インド人の生理に根付いていること。我々が知的障害者の触ったものに感じる無邪気な嫌悪と同様のものを、インド人は下位のカーストに対して抱いている。

・仏教は労働禁止。他のものに心を動かされることなく修行に打ち込み、所有を禁じ、ただ托鉢によってのみ生かされていることが肝要。ただ、それは一人だと大変なので集団(サンガ)を形成すべし。聖徳太子が言った「篤く三宝を敬え」の「仏・法・僧」の「僧」がこれに当たる。ちなみに仏教徒個人を指す言葉は「僧」ではなく「比丘」。サンガに上下関係や総本山という考えはない。

・アショーカ王碑文を研究して分かったこと――教団を分裂させる罪の定義がブッダの死後に変わっている。ブッダ存命中はブッダの教えに楯突くことが罪だったが、死後は一緒に儀式をしないこと、が罪になった。ブッダの死後、少しずつずれていく各地のサンガは上下関係がなきゆえに統制が取れなかった。かと言って国家が分派の一つを承認すれば他が異端になってしまう。そこでアショーカ王は「仏教の儀式をしている限り全てが仏教」という立場をとったものと思われる。
こうして原始仏教は大乗仏教・上座部仏教等に別れた。正確には、ブッダの死後、既に別れていたものが周囲に認知されるようになったのだ。

・この世の一切、自分さえも自分のものではない。借り物だと思って過ごせば執著(仏教では『執着』ではなく『執著』と書くらしい……)も薄れ、謙虚に過ごせるのではないか。
評価:☆☆☆★★
変わったことが書いてあるわけでもなく、どこまでいってもそりゃそうだね、というトピックが並ぶ、軽く読み流すのに向いてる本。ただ、それができれば苦労はねえよ、朝はギリギリまで寝ていたいし夜はギリギリまでスマホ触りたい、って生活のままで脳が冴えてくる!って裏技は載ってない。ダイエットと同じで当たり前のことを当たり前にやれってことだな、難しいが。

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生活のリズムを安定させると脳の活動も安定する。生活のリズムが不安定だと日本にして時差ボケと同じ状態に陥る。朝は早く起きて、
・散歩
・部屋の片付け
・体操など軽い運動
・本を10分以上音読
をしてから出勤するのが良い。

脚を動かす運動は頭頂部に近い脳領域が司っているので、動いている間に血流が脳の高いところまで汲み上げられる。
部屋の片付けは選択・判断・系列化という前頭葉の働きを全て行うので絶好の脳トレ。
音読は入力・情報処理・出力を連続的に含んでいるのでウォーミングアップに最適。

食事の後は血液が胃の周辺に集まりやすくなっており、脳の機能が落ちやすい。

脳の回転数を上げるには時間の制約が必要。一定の回転数があり、時間をかければ成果が出るのではない。いつまでにやらなければ、という制約の中で頭の回転数は上がる。時間ばかりダラダラ使ってもいい結果にはならない。試験を受けている状態を想像すれば分かる。
また、一度脳の回転数が上がるとその状態がしばらく続く。一気に仕事を片付けたあとは覚醒状態を体験できるはず。

つまり、ウォーミングアップ→試験を受けている状態→惰性で仕事が進む→疲れてきたので休憩、を繰り返すのが効率的な脳の使い方。

夜は深刻な問題を考えたり刺激的な映像を見るのではなく、感情系の神経を休めてあげよう。寝る前に同じ行動(入眠儀式)を行うのも有効。朝と夜の行動はパターン化するのがいい。

現代人は平面を見すぎている。立体を見ていないと反応速度が鈍る。
耳からの情報だけを頼りに情報を整理するのは脳トレになる。ラジオが手軽でいい。

話のうまい組み立て方
A.トピックに対する質問を想定し、それに答える形で組み立てる
ex.地元を紹介してください、に対して「どこにあるの?」「名産は?」「名所は?」
B.時系列でメモを取り、話を展開する
ex.この10年で自分が変わったこと、について
C.脳内で映像化する
ex.出勤中にあった出来事を話してください

小さな失敗から分析していく。大きなミスは複合的な要素を含んでおり、しかも主観が入りやすいから分析に不向き。小さな失敗の方が本質に近づける。
失敗は同じ時間帯・同じシチュエーションでやらかしやすい。自分は夕方に失敗しやすい、など自覚しておくことが大事。
評価:☆★★★★

タイトルが面白そうなので読んでみたけど、はじめのうちはともかく途中からトンデモが飛び交う奇書だった。頭の中に何回「要出典」が浮かんだことか。こんな無茶苦茶書いてる著者は何者なんだと思って調べてみたら詐欺罪で最近逮捕されてる……。
このまま感想も残さなかったらマジで時間の無駄だなと思ったからこのエントリを書くことにした。評価は低いけど興味があったら一回読んで欲しい。ツッコミどころが多いとかそんなレベルではない。

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・人工知能は2045年にシンギュラリティを、2030年前後にはその予兆となるプレ・シンギュラリティを迎えるだろう。ヒトが手掛ける仕事はどんどんなくなるがクリエイティビティ・マネジメント(効率以外の要素も求められるもの)・ホスピタリティ(おもてなし)の分野に関しては人間に分がある。

・資本の蓄積が進む先進国では企業が内部留保を溜め込んでいるため市場に出回るお金が少ない。企業が銀行からお金を借りる必要がないからますますお金が出回らない。デフレが進む原因。
歴史上、中国の清朝でも解禁策を採っていた時代は海外(主に日本)から銀が入ってこないため購買力が低下し、デフレによる不況が起きていた。

・一方で、技術革新が起こり、商品がコモディティ化することで値段が落ちる、あるいは高級品を駆逐してしまう(スマホの発達でデジカメやPC、音楽プレーヤーの需要は激減)ためにデフレになるという構造も存在する。

・「総需要の絶対的不足」がキーワード。技術革新や機械化による製造能力の増進のような供給サイドの進歩は目覚ましいが、需要は伸びていない。市場のマネーストック(出回るお金の総量)が増えないから若い世代は購買能力が落ちていて、物質的な充足より精神的なそれを重視する風潮もある。

・ただ、1つの企業が内部留保を取り崩して労働分配率を増やしても会社の得にはならず「一人負け」するだけ。みんなで賃金アップに踏み切ればすべての企業が潤うはずだが、「合成の誤謬」に囚われている。

・歴史上、国家がお金を発行し受益する時代(古代・中世)と、銀行が紙幣の発行権を行使し貸付等で受益する時代(近世・近代)があった。今後は貨幣の受益権を個人・家庭に置くべき時が来る。銀行中心の金融政策では流動性の罠(金融緩和が進みすぎると金融政策が効果を失うこと)を避けられず、もはや不況のコントロールはできない。

・鍵を握るのはベーシック・インカム。

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ここまではわりかし読みがいのある内容。ここから急角度でトンデモ。
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・ところで、今後スーパーコンピュータの性能が100倍になるのは間違いない。すると常温核融合が個人レベルで実現し、各家庭に核融合炉が配られることになる。常温核融合はまったく安全な技術で、一部ではすでに実用化されているという噂もある。よってエネルギー問題は早々に解決する。

・常温核融合炉のおかげでエネルギー問題が解決すれば植物工場が発達し、食糧問題も解決する。合成肉もどんどん美味しくなるだろう。農地や放牧地に比べて工場は極めて労働集約的なので、使われなくなった農地の値段は一気に下がりタダ同然になる。

・3Dプリンタの発達で全てのものが自宅で手に入るようになり、VR技術の発達で都市に住む意味が無くなり、日本人に特有のボランティア精神、地方を救いたいという志を持つ若い世代が日本中に散らばるので人工集中問題も一気に解決する。

・エネルギー問題が無くなり、土地がタダになり、欲しいものは全て3Dプリンタで手に入るので働く必要がなくなり、人類はお金から解放される。

・医学の発展で今後10年以内に間違いなく不老が実現する。有機体の体を他の素材に置き換えて無限の時間を手にした人類は脳同士を連結し、超巨大なブレイン・ネットワークを作り上げ、究極の集合知を手に入れる。言葉に依らず感覚的に100%理解し合える社会が到来する。

・「新世紀エヴァンゲリオンの『人類補完計画』を彷彿とさせますね(笑)」

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抜粋してても頭がおかしくなりそうだった。
評価:☆☆☆★★

東京五輪が終わったら首都圏のマンション価格は下落するだろうし、そもそも少子高齢化が進むほど安く買えるようになるのは自明。という持論の穴を確認すべく買ってみた。自分の予測が打倒であることを再確認したり、思考の隙間を埋めてもらったり、まあ有意義な読書。問題はマンション買うのが正解なのか揺らいでしまったことか。動きが取れないと現状維持に留まって、いつか茹でカエルになりそう。

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・高層階に憧れても出勤時のエレベーター待ちで時間がかかったりする。

・建物部分の資産価値は必ず落ちる。土地の価値は変化しない。駅前の利便性を信じろ(投資目的の場合。住む場合、価値観は個人のライフスタイルに依る)。

・ベイエリアのタワーマンションは(台風19号を例に取るまでもなく)リスクが高い。安定した岩盤、内陸の高台。

・共用部分の修繕は必要だがそれを阻むのが空き住居や住人が死んで相続人不明のため修繕費の積み立てがうまくいかないこと。高齢化が進めば避けられない問題。

・修繕を阻む問題はまだある。高齢化が進んで「住み潰す」ことを考える老人が「資産価値を守る」「10年後のために」といった修繕を嫌がるケース。

・管理組合に入らなければいけない。役員を任されることもあるかも。賃貸と違って、マンションは住んでいる全員が運命共同体となる。それなのに、勝手なことを言う老人が増えてきて管理組合の業務が麻痺してしまうことも。

・マンション購入の魅力はローンを払い終えれば所有物となることだが、集合住宅故に共用部をはじめ自由にならないことも多い。賃貸の方が簡単に出ていけるし住み替えやすいし、居住費をコストと割り切れば楽な面も。

・この場合よく言われるのが「歳をとった独り者は孤独死や収入の面で貸主にリスクがあるから借りられない」というもの。個人的にはやや懐疑的。この先、そんな人間は増える一方だろうし、自分は65歳まで収入がある筈。

・すると考えられるルートは2つ。
a.65まで賃貸でのんびりやりながら、定年後、好きな場所に15年住む予定でマンション購入(新潟に帰ってもいいね)。ローン無しでマンションを購入するため、定年までに4000万貯める。
→試しに65歳まで今の生活を続けると仮定して試算してみたら全然全然足りなかった。このルートは駄目っぽいな。

b.45歳で3000万のマンションを購入(15年返済)。65歳定年後は上記と同ルート。
この場合、3000万で買ったマンションの価値は1000万まで下がっていると仮定する。つまり20年で2000万、1年で100万の居住コストとして、賃貸物件の家賃が100万÷12=8.3万円より高ければ、このbルートの方が得する計算。しかし、8.3万のトコなんて住むわけないのでこのルートも駄目。

まあ正直な話、日本に住んでて自分の職業と生き方で人生が詰むなんてことはまず無いと楽観してるのでどうにかなるでしょう。つまりここは見(ケン)。見が無難……。

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ここしかない!って超イイ物件があったとしても、ジャストナウ3000万もポーンと払う決断ができるかというと難しいところだ。住みたいのは市川・船橋・津田沼・流山だけど内房や外房の支所に飛ばされたら軽い地獄だし、千葉だって駅前がクソなだけで街はいいところなんですよ公園が多くてジョギングが楽しいし……。
評価:☆☆☆★★
書いてある内容は至極真っ当だが、ところどころに筆者の自慢が入るのがうざったい。また、各章の表題と扱っている中身の結びつきがとにかく弱くて、感想をまとめようと思ったら内容を再構築しなきゃいけないほど。サクッと読めるところは加点。

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1.興味がない、と物事を避けること
脳の本能は「生きたい」「知りたい」「仲間になりたい=仲間のためになりたい」こと。知りたい=興味を持つと集中力が上がり、習得しやすくなる。脳は興味を持てないこと=価値がないもの、とみなしがち。

2.嫌だ、疲れた、と愚痴を言うこと
マイナスの感情は能力も脳力も低下させる。脳は一貫性を確保したがるため、口から出た言葉に感情を合わせようとするし、負の感情が支配的になればそれを止めようとする。逆にとりあえずポジティブな発言をすれば、感情が言葉に引きずられ、脳が感情に引きずられてポテンシャルを発揮できる。

3.言われたことをコツコツやること
脳にとってモチベーションとは「報酬」より「報酬がありそう」という期待の方が効果的。完成に近づくと集中力が切れるのは「だいたい出来た」ことで期待感が失われるから。9割できたら「あと1割をどうやってやっつけてやろうか」と意識することが大事。あるいは「ここまでは耐える時間、ここからが自分のターンだ。特殊能力が発揮されて普段の3倍の力が発揮できるぞ」と自分に言い聞かせる。
コツコツやることは終わりを意識しながら進めること、「失敗しないように」と負の情報を意識しながら進めることでもある。(子供に「ジュースをこぼさないでね」と声をかけるとかえってこぼしやすい。脳は否定語を理解できない)
やるときは「目的」のために「目標」を定めてやることが大事。「がんばります」では何のために(目的)もどうするか(目標)も曖昧。
「ゴールを意識せず」「主体的に」「達成のやり方(美学)にこだわって」「一気呵成にやる」

4.常に効率を考えること
「大体わかった」と考えると脳は働きを止める。繰り返しや無駄な思考を省くのではなく、最後まで考えること、繰り返し考えること、分かっていることももう一度考えることが、新たな発想や普段は見えない「抜け」を埋めることになる。だいたい理解したつもりでも人に説明できなかったり、詰めの部分でどうしたら良いか分からずマゴマゴしたり、パターンが変化すると狼狽えたりということがあるね。
思考のポイントは一度カタチにまとめること。そのうえで修正を施す。アウトプットし、成果物をインプットする反芻行為がおすすめ。日記を書くのも脳にいいよ。考え続けるのではなく、時間があれば考えて、アウトプットして、4日経ってから見直すといい。4日というのは脳が必要なことを記憶してそうでないことを忘れるサイクル。

5.やりたくないのに我慢して勉強すること
情報は、まずA10神経で感情のレッテルを貼り、前頭前野で理解し、自己報酬神経群を介してダイナミック・センターコアで思考することで記憶される。つまり情報→理解→記憶ではなく、そこに必ず思考が絡んでくる。イメージでしか記憶できないから記憶違いが起こるし、体験に引っ張られやすい。嫌だったことは避けようとするし、成功したことにしがみつきたがりがち。これも一貫性の確保と自己保存の法則だ。

6.スポーツや絵などの趣味がないこと
空間認識能力が数字を処理する機能をも司っている。姿勢を良くしよう。天井から頭頂部に紐が伸びてきて吊られているような、いつでも真上にジャンプできるような意識。また、字を雑に書くことは集中力が低下する原因になる。止めよう。

7.めったに人を褒めないこと
人を褒めると「相手の役に立つ=仲間になりたい」欲求を満たせる。さらにプラスの感情が生まれることで脳も活性化する。
評価:☆☆☆☆☆
平易な言葉と柔らかい語り口調でやたら読みやすいし、「筋が通っているからといって仮説が真実とは限らない」というスタンスで偏りをなくそうとする努力が感じられる。むかし信じられていた常識を比較的最近の研究成果でアップデートしてくれるうえ例えが分かりやすい。他人に勧められる本。

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チンパンジーをはじめとした類人猿には牙がある。これは威嚇のため、同族間での争いに勝ち残ってメスに自分の子供を産ませるためである。しかし人類に牙は無い。なぜなら他の類人猿と違ってヒトには発情期が無く、毎年のように出産することが可能だからである。類人猿は出産のインターバルが長いため、少ないチャンスをものにせんとオスが躍起になる。他のオスに孕まされるとそのメスは数年間出産できないので交配可能なオスとメスのバランスが崩れる。一方、ヒトはいつでも出産できることでその割合がだいたい1:1に近い状態を保ち続けられた。

ヒトはこの多産を武器に生息域を広げた。要するに草原でヒョウやライオンに食われても、それ以上に産めよ増やせよすれば種としては反映するのだ。自然界では優れた生物が勝ち残るのではなく子供を多く残したものが生き残るのだ。優れていることはその理由あるいは手段にすぎない。

「ヒトは直立二足歩行をはじめたので手が自由になり、道具を使えるようになったことで脳が発達した」というのは昔から言われている進化の定説だが、正しくない。直立二足歩行をはじめてから450万年もの間、石器も作らなかったし脳容量も大きくはならなかった。

直立二足歩行は他の類人猿に比べて森林に適応できず追い出されたヒトが一夫一妻制のもと食料を運搬して自分の子供を効率よく育てるために進化したもの(多夫多妻制だと食料を運んでも自分の子供以外を育てることになるかもしれない)。

初期の人類は草食だったためカロリーを多くは摂取できず、したがってカロリーを多く消費する脳を大きくするわけにはいかなかった。草原に出てきたことで肉食もするようになると肉のカロリーによって脳を大きくする余裕ができた。また、肉は植物より消化しやすいため腸が短くなり、その分のカロリーも脳に回せた。

「かつてアフリカに住んでいたただ一人の女性『ミトコンドリア・イブ』が現生人類全ての祖先だ」という言説があるが、正しくない。ミトコンドリアDNAは母系遺伝する(母親からのみ次代へ遺伝する)。自分の1代前の祖先は2人(父母)、2代前は4人(父系・母系の祖父祖母)、3代前は8人……と遡る度どんどん増えていくが、自分のミトコンドリアDNAはどんなに遡っても増えず、大昔のアフリカに住んでいた一人の女性に行き着く。しかし、それは先祖が全員アフリカに住んでいたことを保証しない。祖先は世界中にいたかもしれないが、ミトコンドリアDNAの提供者はたまたまアフリカにいた、というだけの話かもしれないのだ。
さらに、ここに100人の女性がいたとする。全員別々のミトコンドリアDNAを持っている。しかし時が経てば男子しか産まなかったり出産しなかったりでどんどんミトコンドリアDNAの種類は減っていく。そしてとうとうたった1つのミトコンドリアDNAが残ったとき、最初の女性がその時代すべての人にとってのミトコンドリア・イブになるのだ。
ただし、ミトコンドリアDNAは変異することもある。もし変異したミトコンドリアDNAが先々まで残れば、次の時代のミトコンドリア・イブは変異したミトコンドリアDNAの保有者かもしれない。ただしそれが分かるのは数万年単位の未来から遡ったとき以外に無い。

ネアンデルタール人はホモ・サピエンスより脳容量が大きかったが、それは余計にカロリーを必要とする、ということ。省エネだったホモ・サピエンスのほうが生き残りやすかった。2種の生物が生き残りを競い合う場合、戦争に依らずとも(そもそもネアンデルタール人とホモ・サピエンスが争った証拠はそう多くない)ほんの少し人口増加率が高ければいいのだ。
評価:☆☆☆☆★

サッと読めてそこそこ為になる。なんとなく「そうすべきかな」って行動の是非を、切り口を変えたりデータを示したりしつつ教えてくれる。ただ、前提条件が極端だったりするので、鵜呑みにせず考え方だけ頭に入れておけば十分。

お金を貯めようと思ったら日々の食費を減らすよりマンションを安く買うべき。「節約は金額の大きいものから」
増税前に買おうと思ってる諸君、消費税は建物部分にのみかかる。共同購入扱いになる土地代にはかからないぞ。
さらに個人同士の売買に消費税はかからない。不動産業者の「仲介」を通して購入するならやはりかからない。不動産会社も自社物件だけ増税値上げすると一人負けになりかねないから足を揃えたがる。
駆け込み需要が終わった後に市場が冷え切ってしまわないため、住宅ローン減税制度がある。調べるべし。なお、住宅ローン減税は所得税だけでなく住民税も安くなる。
最初に買ったマンションが終の棲家になることはまず無い。
転売を前提とするとマンションに住むための費用は
1.管理費・修繕積立金・固定資産税
2.ローンの金利
3.マンション価格の値下がり分
となる。3000万円のマンションに5年住んで3000万円で手放せば金利と諸費用だけで住んだことになる。つまり、値下がりしづらい物件を見極めよう。
値段の下がらない物件とはみんなが欲しがる利便性のいい物件。高くなることが多いが、予算を抑えるために駅からバスで20分のマンションを買っても、いざ手放すときに買い手が付かないか、買い叩かれる。
年利2%のローンを繰り上げ返済をするのは2%利回りの株をやるのと同じ。投資するか、流動資産としてタンス預金してたほうがマシ。さらに繰り上げ返済でローンの残金が減ると住宅ローン減税の枠が減るデメリットも。

評価:☆★★★★

読まなくていい。大したこと書いてないうえ、そもそも文量が非常に少なくものの15分で読める。

マンションを購入するときは断熱性に注意。最上階は上面が、最下階は床が、端の部屋は片側の壁面が外気と接するため断熱性が低下する。
幹線道路沿いの物件は排気ガスや騒音が酷く窓を開けていられないということもある。注意。
住む街を決めるときは、
1.駅周辺からマンションまでにコンビニやスーパー、ドラッグストアがあるか
2.人の流入があるか。具体的には企業のオフィスや大学などの教育機関はあるか。
これらが重要
評価:☆☆★★★
なんとなく、そろそろマンションを買わないといけないかな!と思い立ったので調査のために。メモを取りながら30分くらいで斜め読みしたのだけれど、まあ価値のある情報はあまり無い。とりあえず本当に買うのか、買う気が在るのかも含めて今後の検討課題。
ただ、男一人で死ぬまで賃貸住宅ってわけにもいくまい。

新築マンションは竣工しても売れ残っている場合、値引きの可能性あり。「特別商談会開催中」「モデルルーム販売住居」「数十万円の家具付き」が値引きのサイン。
完成から3ヶ月経過している、3030万など端数がある、会社の決算期が近い、などは値引きに有利
ただし住友不動産は値下げしない、むしろ値上げしていく。ゴールドクレストも同様。
中古マンションは成約価格データベースが公開されている。高く買うと売却損する。REINS Market Infomation参照。
新築は東向き・西向きが安めで、南向けに比べて相対価格も下がりにくい
新築相場はRealnet新築マンションサーチというアプリを使うか、住まいサーフィンというサイトで検索が可能。
大型マンションの方が売却損が発生しづらい。規模の経済も働く。301~500戸のマンションの管理費が一番安いとされている。
中古マンションは全社がREINSというシステムを利用しているので仲介業者を数回っても意味がない。
借地権マンションというものがある。安く入居できるが売るときも安く。調べること。定期借地権マンションは扶養家族を持たない自分向き?
タワーマンションは維持費が高くつく。
新築や築浅マンションの修繕積立金が安いのは罠。あとで値上げが待っている。ただし、10年経っていても修繕積立費が専有面積あたり100円程度のマンションは管理組合が機能していない可能性あり。202円くらいが平均。
お知らせ掲示板、自転車置き場、共用部分の汚れ具合、ゴミ置き場の利用され方をチェック
二重サッシになっているか
防音レベルはL40とかL45という数値で示される。低い方が防音に優れる。直床と二重床で防音上の差はそれほどない。
中古マンションはスピード勝負。いい物件は多くの人が狙っている。
中古物件は「耐震基準適合証明書」を税務署に提出すると古い物件でも住宅ローン控除を受けられる
モデルルームを見るときは標準装備とオプションをチェック
中古は「安心R住宅」のロゴマークを一つの基準に。
信頼できる不動産屋は1.時間を守る2.「すぐやります」ではなく「◯◯日までに連絡します」。曖昧な返事をしない3.「大丈夫です」ではなく明確な理由付けが出来るか4.他社のネガティブトークをしない5.打ち合わせのメモを取らない人はバツ
北側に道路が面している「北方位の敷地」は割安。日照条件さえ確保できればOK。湿っぽい場合はカビに注意。
保証期間より保証内容を確認
中古なら「住宅性能評価書」を取得しておくこと
レインズのサイトで過去2年位の販売実績を調べ、相場観を養うことが大事
「全国地価マップ」で平均地価は公開されている。地価の変動は「地価googleマップ」を。地盤は「N値」を調べる。
評価:☆☆☆☆★

日頃から部下に対しては「職業に貴賎なし、先入観を捨てなさい」と口酸っぱく言っている私ですが、風俗嬢にはまあ偏見を持ってる。究極の接客業として誇りを持ってやってるならまあいいさ。でも、大抵は「楽にカネが手に入るから」みたいなゆるーい動機で頭のゆるーい女が人生設計も考えずにやってるんでしょ?これ自体が偏見だけど、今の仕事してると女ってホント駄目だなとしみじみ思うね。第三者目線で物事を評価できない、理知的な考え方ができない、自己肯定在りきで硬直的な思考を見直すことができない。特に30代半ば~50代前半がヤバいね。

閑話休題。職業柄、貧困問題を扱った本には目を通すようにしてるんだけど、この本はなかなか強烈。まずアラフォーどころか53歳の風俗嬢とか70歳のAV女優とかバンバン出てくる。4畳半の部屋で細々と「死なないでいる」高齢デリヘル嬢とか、心が壊れたシングルマザー、セックス中毒者が出てきたかと思えば、実家が金持ちなので暇つぶしに性を売り物にしているマダムや順風満帆な人生に疑問を持ってAV女優の門を叩いた専業主婦など、風俗行を生業とする中年女性の光と闇(光といってもブラックライトかもしれんが)にスポットを当てて淡々とインタビューする内容。
内容の悲惨さが現実離れしつつも怖すぎて怪談じみてきたら最後には霊媒者まで出てくるあたりやりすぎ感はあるけど、食うに困らない自分の生活に感謝しつつ、将来のことを考えてマンションでも買わねばならないのだろうかと黙考しつつ、やっぱ女ってクソだわと再確認できる本。おすすめ。
評価:☆☆☆☆★

3冊合わせて30分でわかる、とはいかないまでもエッセンスだけで淡々と纏まっているから読みやすい。ただ、基本的な流れが「建国→初代死亡→後継者争い→不満分子が首都を落として傀儡政権樹立→傀儡にとって代わって建国」ばっかりなのが本当に酷い。

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司馬炎死亡。西晋内で後継者争い、八王の乱が勃発。成都王に招かれた匈奴系の劉淵が後に蜀漢の後継者を自称し、「漢」として独立。西晋を滅ぼす。

西晋も滅んだし国名を「趙(前趙)」に変更。一方で、功が大きくなりすぎた羯族奴隷出身の実力者:石勒を危険視したため独立を招き、石勒は「後趙」を樹立。石勒は内外の戦に勝ちまくって後趙を滅ぼし河北をほぼ手中に収める。

石勒の死後、後継者争いを経て、息子の石虎が没すると後趙は分裂。有力武将の姚弋仲(ヨウヨクチュウ)は後趙に仕え続けたが、苻健は「前秦」を興す。

石勒の養子になっていた漢民族出身の冉閔(ゼンビン)が羯族を殺しまくって後趙滅亡。冉閔は「魏(冉魏とも)」を建国。

一方で西晋が滅んだ後、中原から離れた西涼の地には漢民族の張既が「前涼」として勢力を興した。この国、細やかな国家運営をする名君が何人も続いたかと思うとTHE・暗君が出てからお決まりの政争・暗殺・傀儡の流れで一気に滅亡するのが酷い。

ところで遼西方面の鮮卑系慕容部では代々東晋に対する臣下の礼を欠かさずにいたが、慕容皝(ボヨウコウ)の代で周辺の宇文部を倒して「燕(前燕)」を自称。慕容儁が後を継ぐと南下して冉閔の魏を滅ぼした。
が、慕容儁の死後、幼皇帝を補佐した慕容恪は、防衛に功のあった名将にして弟の慕容垂を危険視したため、慕容垂は勢力を拡大していた前秦へ出奔。

前秦は先述の石虎の死後に後趙から分裂した羝属が漢中あたりに建てた国。符堅の代に隆盛し、漢人宰相の王猛と組んで、漢人国家の前涼、慕容垂が逃げてきた前燕、ついでに鮮卑系の拓跋氏が代県あたりに建ててた「代」も併呑して河北統一。
イケイケドンドンで東晋にぶつかるも、淝水の戦いで東晋の謝玄に敗北。揚子江を挟んで対峙した両軍だったが、符堅は東晋が攻めてきたら引いて渡河中に反転して迎撃するつもりだった。が、各民族の寄せ集めだった前秦軍は整然とした後退ができず、東晋の先制攻撃されると後退命令が撤退命令に間違えられ、ついには潰走に至ってしまう。

符堅が失意に沈む中、いくつもの勢力が独立(何度目だ)する。慕容部の末裔として「後燕」を建てたのが前燕から逃げてきた慕容垂。後趙に仕えていた姚弋仲の息子:姚萇(ヨウチョウ)は「後秦」を建てて前秦を滅ぼす。拓跋氏も子孫の拓跋珪が代を復興、のちに国号を「魏(北魏)」とし、慕容垂の死で分裂した後燕を併呑。

後秦は後継者争いから弱体化しており、東晋の劉裕に滅ぼされる。このとき東晋は力に溢れ、洛陽・長安まで占拠していた。が、匈奴系の「夏」が興るとこれらの都市を取り戻す。滅んだ後秦は「西秦」として再興したが、北魏の3代目太武帝がこれらをまとめて飲み込んで河北を統一した。

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太武帝の次に権力を握った馮太后は三長制・均田制といった諸制度を整備して幼い孝文帝を支え、孝文帝も改名や漢民族の旧都である洛陽への遷都など徹底した漢化政策で諸民族の融和を図った。

都が平城(幽州とか并州とかあの辺)から洛陽に移されると、以前に首都周辺だった勢力は「北の国境警備」に成り下がってしまった。孝文帝が死ぬと彼らは反乱を起こし、朝廷内でも皇后の暗躍や幼帝の暗殺などゴタゴタが続いた。爾朱栄(ジシュエイ)→高歓と権力が移ったものの、高歓が建てた孝武帝は傀儡にされるを由とせず西の反高歓勢力:宇文泰を頼る。これに対抗して高歓は新たに皇帝を立て「東魏」、宇文泰-孝武帝側が「西魏」となる。

東魏は支配地域こそ西魏を圧倒していたが、胡族の武人勢力と漢人の文人勢力、成り上がりの商人勢力の争いから足並みが乱れ、高歓の子、高洋が帝位を簒奪して「北斉」を築く頃にはボロボロだった。
一方の西魏は西周時代の儀礼的・懐古的な制度に傾倒し、宇文泰の子:宇文覚が東魏よろしく帝位を簒奪して「北周」を築く。北周は名宰相:宇文護(宇文泰の甥)の元で国力を高めると北斉を倒して河北を再統一。しかし後継者が暗君だったため、宇文泰に従っていた楊忠の子:楊堅が北周を倒して「隋」を建国。ただ、この隋も宇文泰の配下であった李氏の血を引く李淵によって30年くらいで滅んでるんだよなあ……。

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視線を移して南朝。
漢(前趙)に滅ぼされた西普の生き残りである司馬睿が東晋を築くが、もともと呉の勢力圏で司馬氏は余所者。江南は豪族の力が強く、特に西の桓温は成都を落として四川省まで勢力を広げ、一時は洛陽まで我が物にし、このまま東晋を乗っ取ろうというところまで来た。この野望を挫いたのが文人宰相であった謝安で、前秦の符堅が南進した際も甥の謝玄を用いてこれを破っている。ただ、英雄が出てくると周囲がそれを排斥して暗君が国を傾ける流れは南朝も同じ。謝安が除かれ東晋が弱ったところで桓温の息子である桓玄が中央を押さえて「楚」を建国。ただこれは劉裕将軍があっという間に平らげると東晋を復興させ、符堅の前秦を滅ぼした後秦を倒すと自身が帝位に就き「宋(劉宋)」を建国。

ただこの国も3代目までは良かったものの、その後は暗君からの暗殺・粛清で一気に弱体化。国を憂えた蕭道成(ショウドウセイ)が国を立て直し、反対勢力を鎮圧し、最終的には自らが皇帝になって「斉(南斉)」を建てた。いや、憂国はどうした。

蕭道成は死に際し「宋は身内の争いから滅んだ。お前たちは一族助け合うのだぞ」と残したが、ダチョウ倶楽部かよってくらいのテンプレで暴君→粛清→暴君のスパイラルから蕭衍(ショウエン)が「梁」を建国。

蕭衍の治世前半は学問奨励と文化振興で国を栄えさせるも、晩年は仏教にハマって国が傾く。そして有名な宇宙大将軍:侯景が東魏から降伏してきた。これを受け入れたところ東魏との関係が悪化。慌てて東魏と和議を結ぶと、梯子を外された侯景はわずか1,000人で梁に反乱を興す。すると梁への不満分子を糾合して、首都:建康を包囲する頃には10万の軍勢になっていた。
侯景の乱は首都を奪い皇帝を殺したものの最終的には鎮圧された。しかし後継者争いで一部の皇族が北朝の西魏を招き入れてしまい、四川省をはじめとした要衝を西魏に奪われてしまう。梁の支配地域は全盛期の半分ほどにってしまった。

それでも後継者争いは止まず、有力武将の陳覇先がなんとか皇帝を立てたものの、やっぱり駄目だわと2年後には廃位して自らが「陳」を築く。
ちなみに西魏を招き入れた皇族はそのまま傀儡政権として「梁(後梁)」を存続させるが、用済みとなったら当然のごとく西魏→北周を継いだ隋に潰された。

尚、支配地域が大きく狭まったものの陳は4代目まで頑張って国力を高め、北斉の支配地域を切り取るなど健闘を見せた。ただ5代目が暗愚だったため、隋の楊堅が子の楊広(のちの煬帝)を大将として南征するとあっさり降伏。この5代目、隋へ移送されたあともあまりの無能さに呆れられ、猜疑心の強い楊堅でさえ警戒を解いてしまったために生涯を安全に全うしたという逸話がある。阿斗かよ。

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調べてみると、五胡十六国→北朝は色んな国が勃興しては民族間の争いで消えていき、前に滅んだ国の後継者が時を経て再興するみたいな流れがあってまだ大河ドラマ的な面白さがあるんだけど、南朝が本当に酷い。この時代、歴史マニア受けはしても漫画化とかは出来なさそうだなあ。
評価:☆☆☆☆★

結構、なるほどと思わせることが書いてあった。特に「人は自分より弱い相手か自分を許してくれそうな人を選んで怒っている」についてはギクリ。そんな甘え、かっこ悪いよね、と気づかせてくれる。
怒りをタイプ分けして傾向と対策を示してくれるのも◯。
今日から心を入れ替えて、感情に振り回されない人間になろうと思う。ゴータマくんも「深く冷たく何者も見通せず波も立たない湖のような人であれ」って言ってるしね。

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・怒りっぽい人は怒ることが癖になってる人。生来怒りっぽいのではなくて、出来事に反応する時に、怒りの感情が使いやすいから、怒りの感情で今まで対処してきたから惰性で(=癖で)怒っている。

・子供の頃から怒りの感情に触れ続けると、大人になってもそれを選びやすくなる。良し悪しではなくて、単純に最も触れている感情が最も使いやすいと刷り込まれてしまうから。虐待されて育った子供が大人になって虐待する側に回るって話を聞いたことがあるでしょう?まさにそれ。

・つまり「怒りっぽい」というのは刷り込みや癖なのだから、分析して対処すれば治すことができる。

・別に怒ること自体は悪いことではない。ただ、「怒ってしまった」は手癖に抗えてない、コントロールできてないから駄目。「怒ると決めて怒った」が理想。反射的にカッとなるのではなく、収支を比較分析してそのタイミングで「怒り」を選択すること、これが大事。

・そもそも怒りのシステムは、事態発生→意味付け→怒りの感情が生まれるという段階を経ている。この意味付けがポイント。
「つらい」「悲しい」「寂しい」「不安」などネガティブな意味付けが行われれば心のコップの水かさが増し、溢れてしまうと怒りに繋がる。大事なのは起こる前の感情(一次感情)をどう捉えるかということ。
怒っている人への対処でも、「この人は何に対して怒っているのか(何がこの人のネガティブな感情を刺激したのか)」を掴んでそこを認めてあげることが大事。例えば無職の人が噛み付いてきたときに、自分が惨めで怒っているのか将来が不安で怒っているのかで対処は異なる。

・「意味付け」についてもう一つ。この「意味づけ」は個人の価値観を反映している。そして怒りの正体とは自分の信じる「~べき」が目の前で裏切られた!ことへの反応。と考えると、「~べき」は人によって立場によって全く変わるのだから、まずはそこに考えが及ばないとね。

・marioさんは「公明正大」タイプ。正義感が強く、自分には裁く権利がないものでも自分の価値観で裁かないと気が済まない、自分の正義のためなら法を曲げてもよいと考えている、自分が周囲を正しく導かなければ、という使命感がある。
キーワードは「道徳心」「正義感」「倫理観」「裁き」「マナー」「しつけ」
改善のためには、まず裁判官や警察官でもない限り自分には他者を裁く権利が無いことを何度でも確認すること。そして以下の怒り分類トレーニングがおすすめ。

軸β:対象は重要なこと or 重要ではないこと
軸α:自分が怒ることで対象を変えられる or 変えられない
重要かつ変えられることは叱って変えさせる。このときただ怒るだけはなく、いつまでに、どの程度の水準まで、ということも決めておく。
重要ではないが変えられることを、この瞬間に君が怒ってまで変える必要があるか?
重要だけど変えられないことは現実として受け入れるしかない。
重要ではないし変えられもしないことは気にしても仕方ない。忘れなさい。

自分はこのうち、重要ではないし変えられもしないことで度々頭に血が上るのが駄目。しかもニュース見てコメンテーターの態度が不遜だと怒ったり、「これ最高に楽しい、無限に遊べる」ってつぶやきに対して無限なワケないだろ言葉は正しく扱え!って憤ったり、北海道出身のアイマスキャラの語尾が「~だべ」になってると開発陣はどうせ都会出身で、田舎者はこんな喋り方するんだろ?って馬鹿にしてるに違いない、差別主義者め!って激昂したりする。今もキーボード叩きながらカッとなって腹に力が入ってるけども、こういうところをスルーできるようにしないとね。


対策
・毎日アンガーログをつける。
アンガーログとは……いつ、どこで、何があって、どう思ったか、その時の怒りは10段階で何番目?ということを記録したもの。記録することによって冷静になれる(特に怒りの段階を評価するのは冷静さを取り戻すきっかけになる)こと、後日の分析に役立てることが目的。

・ムッとしたら6秒待つ。怒りの感情は6秒しか持続しないため。

・コーピングマントラ(それを唱えれば怒りが雲散霧消する、と思い込むための呪文)を決めておく

・自分の理想とする人を常に想定して、そのとおりに振る舞ってみる。あの人ならこんな時どうするだろうか、怒るだろうか。

・駄目な人を見たら理想を100点としてこの人は何点くらいだろうか、70点もあれば十分じゃないか、と視点を切り替えてみる。

・五代友厚(怒りっぽかった大隈重信の友人)の手紙にいいことが書いてある。
1.たとえ間違っていても相手の愚説・愚論を最後まで聞きなさい。
3.怒気・怒声を発するのを控えなさい
5.自分が嫌っている人にも、つとめて交際を広げなさい
(2.4は略)

・相手の行動に点数をつける。こっちが挨拶しても大きな声で返事が返ってくるのを100点とするなら、会釈のみ返すのは60点?なら及第点じゃない?怒ることはないよね?

・人は恐怖や不安を感じると、その原因ではなく、基本的に「自分より弱い人」「自分を許してくれそうな人」に怒るのだ。これって要するに八つ当たりなんだけど、それって恥ずかしいよね?それを意識しよう。
評価:☆☆★★★

この本、何がびっくりしたって目次の見出しから各章へジャンプできない。更に本文はメイリオでも使ってんのかってくらい行間がばっくり開いている。ほかに初出の人名に対する補足が無かったり、文中で明らかに別のパラグラフにリンク貼っておくべきところが抜けてたり……というか全文通じてリンク一切無かったりと素人が書いてんのかと訝ってしまうところだけど、内容は真っ当。ただ、図表が一切無いうえ地理的な説明も皆無。しかも一部の文章がwikiの表現に酷似してるのがやはり気になる。

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・匈奴による圧迫から鮮卑各部をまとめて強い部族に押し上げた檀石槐と、後漢で辺境統治に大功のあった張奐。
・張純の乱を平定した劉虞と、公孫瓚の仲違い。
・鮮卑で暮らしていた劉虞配下の閻柔による対公孫瓚の暗躍や、曹操による烏桓討伐の道案内をした田疇、鮮卑族を離間策や積極攻撃で翻弄した田豫という三国志おなじみの武将の活躍。

・歩度根が指導者になって勢いが衰えた鮮卑は新たに扶羅韓を立てたが、扶羅韓は部下を掌握できていなかったため軻比能に斬られその勢力を吸収された。歩度根と軻比能の仲はとにかく険悪になったものの、最終的には窮乏した歩度根が軻比能を頼っている(が、最終的にはその後の敗戦で軻比能に処断された)。
・その後も慕容(遼東)、宇文(慕容の西、幽州の北)、拓跋(宇文の西から涼州まで)、禿髪(名前が酷い。涼州)、吐谷渾(チベット北部)などの各部族が西普とやり合ったり部族同士でやりあったり五胡十六国に突入。
・鮮卑をはじめとした異民族の進出を許したのは、そもそも三国時代に漢人の人口が1/10になってしまい国境を守るのが難しかったという背景もある。

・まずは匈奴の血を引く劉淵が普から独立し、洛陽ついで長安を陥落させ普が滅亡、漢を名乗る→後に前趙。
・司馬睿が河南に逃れて東普を建てる。漢は慕容の協力を得ようとしたが慕容部の首領である慕容廆(ボヨウカイ)は普の臣下だという姿勢を崩さない。後継の慕容皝(ボヨウコウ)は三男だったが兄弟間の争いを制し前燕を建国、宇文を滅ぼす。
・ただ前燕も結局は後継者争いから前秦の英雄:符堅に滅ぼされる。河北を統一した符堅はその余勢を駆って、一人を除く周囲が猛反対する中で東普を飲み込まんと兵を挙げる。しかし淝水の戦い(合肥のあたり)で東普に破れた。
符堅は打倒した各部族を解体せず同化もさせなかったため烏合の衆だったとか。このあたりは彭城の戦いで劉邦の120万が項羽の3万に負けたのをなぞってる感ある。
・前燕の遺児であった慕容垂は符堅の東普攻撃に唯一理解を示した者だったが、内心は奢る符堅がしっぺ返しを食うことを期待していた。符堅の敗北に乗じて鄴を都に後燕として独立。せっかく前秦がまとめた鮮卑諸部族もまたバラバラに。

・独立した拓跋部の拓跋珪は北魏を建国し、内蒙古に勢力を拡大。後燕と対立し、最終的にこれを破って中原を制し皇帝を名乗る。鮮卑系王朝が長続きしないのは部族社会の風習を保ったまま国を統治しようとしたからだと、支配した部族を解散したうえで指導者層を都へ集めて貴族とし、皇帝への兵権集中を断行。
・後継者が夏、西秦、北燕、南燕などを打倒して「鮮卑系◯◯部」ではなく「鮮卑族」として河北を制したものの、統治のノウハウは貴族ではない漢人に優位があった。
・孝文帝の代で仏教→儒教への切り替えをはじめとした漢化政策を採用したことがきっかけで、鮮卑族のアイデンティティーを脅かされたと感じる層が猛反発し、再び動乱につながった。

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似たような名前の国が興亡しまくるうえに支配地域も広範に渡るから、覚えようと思うとやっぱり五胡十六国は無茶苦茶だ。どうでもいいけど本の感想ってある程度理解してなきゃ書けないんですよね。なんとかwikiを漁りまくって形にしたけど、この本読まなくてもwiki辿ってれば地図も適宜出てくるしそっちの方が良かった感は強い。
弱ったなあ問題が持ち上がったぞ→そういえば孫氏がこんなことを書いてた→孫氏の言うとおりにやったらうまくいきました!
が繰り返される「マンガ 孫子の兵法の活かし方」があまりに子供だましだったので別の本も読んでみるかと。

著者の主張がとにかく中国共産党バンザイ毛沢東バンザイ、それに比べて日本は駄目だに終始してて、そんなところから日本批判につなげる?って唸らされるレベル。解説を無視して孫氏の現代語訳だけ読む分には有用だけど、もうこの本じゃなくていいよねそれ。

評価:☆☆☆☆★
孫氏はいいこと言ってる。それをどう活かすかは読み手次第。

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・開戦に先だつ作戦会議で、勝利の見通しが立つのは、勝利するための条件がととのっているからである。逆に、見通しが立たないのは、条件がととのっていないからである。
新しい業務が増えるときに会議だけして「まー仕方ないから頑張りましょう」になるうちの会社にとっては耳が痛い話。

・人を致して人に致されず(主導権を握ることが大切)。

・人の気力は、朝は旺盛であるが、昼になるとだれ、夕方には休息を求めるものだ。それ故、戦上手は、敵の志気が旺盛なうちは戦いを避け、志気の衰えたところを撃つ。
別のビジネス書なんかだと「だから通したい稟議書は昼~夕方くらいに持っていこう!」なんて書かれてるのを見たことがあるけど、そういう問題じゃないだろう。

・敵を包囲したら必ず逃げ道を開けておかなければならない。窮地に追いこんだ敵に攻撃をしかけてはならない。
来所者は素人なんだから法に則って説得するときも相手のメンツを潰すな、断るときは最後のひと押しを避けろ、とは若い子に普段から言ってる。

・敵の攻撃がないことに期待をかけるのではなく、敵に攻撃の隙を与えないよう守らなければならない。
バイトの電話対応が超不安なんだけど、うるさく言って恨みを買うのも嫌だし指導するほどでもないか……と見て見ぬ振りをしてる身に詰まされる話ですよ。

・兵士が十分なついていないのに、罰則ばかり適用したのでは、兵士は心服しない。逆に、すっかりなついているからといって、過失があっても罰しないなら、これまた使いこなせない。兵士に対しては、温情をもって教育するとともに、軍律をもって統制をはからなければならない。
まったく以てその通りなんだけどバイトへの対応が難しい。連中に責任感を持たせるにはどうしたらいいのか。正職員と同じ待遇にして研修も施して同じ仕事をさせる、というのが正解だというのは分かるんだが自分にはその権限が無い。

・敵を攻め破り城を奪取しても、戦争目的を達成できなければ、結果は失敗である。
クレーマーをうっかり論破してしまったときに思い出そう。自分の仕事は窓口をスムーズに運営することであって知識や能力をひけらかすことではないと。

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結局のところ、孫氏が繰り返し言ってるのは、
・徹底的に情報収集しろ
・地形に合わせた行動をしろ
・味方を結束させ相手は団結できないようにしろ
・行動すべきときかどうか見極めろ
・やると決めたら素早くやれ(兵は拙速を聞くも未だ巧久しきを睹ざるなり)
なのよね。
「地形」をシチュエーションと捉えれば確かに職場での立ち居振る舞い、管理者や現場責任者にとっては頷くところが多い話ではある。

あとがきで孔子と孫氏を比較してるところは面白かった。孔子は「朝に道を知らば夕べに死すとも可なり」と残しているように、自分自身が人生に納得する方法を探している、悪く言えば自分本意な哲学者であって、孫氏は組織の成功を第一としてどこまでも怜悧な実務者である、と。人を評価するにも孝とか悌ではなくて信賞必罰を旨としたビジネスマンであると。

高校時代に似たような内容の本を読んだ記憶が戻ってきたので有意義な読書体験ではあった。知的生き方文庫にハマっておいてよかった。
有名な本だったからいずれ読もうとは思ってた。が、心が軽くなる系のポエム集だと思ったら、成功のためのハウツー本だった。しかも小説形式で、キャラクターの個性が濃いめ。1章に一つづつ成功するためのキーワードが出てくるから、本文は読まずにそこだけメモしようと思って拾い読みしていったら、巻末にキーワード+名言集としてまとめられてた。そこだけは評価できる。

内容はふーんて感じのもあればそれは違うだろってのもある。冒頭で「これ全部守ったら絶対に成功できる!」って言ってんだけど、それについては同意。何を以て「成功」とするかは難しいところ。というかナビゲーターがガネーシャ神だからインド仏教的な価値観なのかと思ったら思い切り現世利益優先で駄目だった。ヒンドゥー教の神様だからいいのか。

評価:☆☆☆★★
所々ハッとさせられるところはあるし、物語形式で読みやすい(自分はキャラが嫌いで読めなかったけど)。これで少しでもやる気が出るなら儲けものだろう。

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1.靴を磨く

2.コンビニでお釣りを募金する

3.腹八分にしておく
自分で自分をコントロールする楽しみを知る

4.人が欲しがっているものを先取りする

5.会った人を笑わせる
リラックスした、いい空気を作り出す

6.トイレ掃除をする
誰もやりたがらないことだからこそ感謝され価値が生まれる

7.まっすぐ帰宅する
自由時間は自分が成長するために使えるいちばん大事な時間

8.その日頑張れた自分をホメる
頑張ったり成長することが楽しいことだと自分に教えてあげる

9.一日何かをやめてみる
惰性から解き放たれて空いたところに何かが入ってくる

10.決めたことを続けるための環境を作る
変わろうと思ったら「意識」を変えてはいけない。「具体的な環境」を変えねば。人は「立ち上がって、自分の手でやってみたこと」しか身につかない。

11.毎朝、全身鏡を見て身なりを整える
外見は簡単に変えられて効果も高い

12.自分が一番得意なことを人に聞く
自分の仕事にどんな価値があるのか決めるのは自分じゃなくてお客さん

13.自分の苦手なことを人に聞く
苦手と得意は表裏一体、自分の欠点を長所にする

14.夢を楽しく想像する
誰に言われるまでもなく勝手に想像してワクワクするもの、考えはじめたら止まらなくなるもの、それが夢。

15.運がいい、と口に出して言う
嘘でもいいから口にすれば脳が勝手に良かった探しをはじめる。
山登り中に雨が降ったことに対して「天気予報で晴れと言っていたのに」と嘆くのは違う。「山の天気は変わりやすい」のが世界の真実で、天気予報に理由を求めれば必ずまた失敗する。世界の在り方を考えよう。

16.タダでもらう
報酬ではなくタダで貰うためにはコミュニケーションや仕草も変わる

17.明日の準備をする

18.身近にいる一番大事な人を喜ばせる
一番大事な人をぞんざいに扱って、面倒な相手に注力するのは間違い

19.誰かのいいところを見つけて褒める
人は、自尊心を満たしてくれる人のところに集まる

20.人の長所を盗む

21.求人情報誌を見る
自分の人生を賭けてもいい仕事に巡り合うことを諦めない

22.お参りに行く

23.人気店に入り、人気の理由を観察する

24.プレゼントをして驚かせる
期待を上回ったとき驚きと喜びが生まれ、自分のファンになってくれる

25.やらずに後悔していることを今日からはじめる
やりたいことを見つけるときに最も駄目なのは「考えること」。

26.サービスとして夢を語る
自分がどれだけ頑張っても、それを誰も喜んでくれなかったらサービスになってない。意味がない。多くの人が聴きたい夢は世間に望まれている夢。実現のためみんな応援してくれる。

27.人の成功をサポートする
持ちつ持たれつ、情けは人の為ならず

28.応募する
自分の才能を見出し評価してくれる人は世界のどこかにきっといる。

29.毎日、感謝する
お金も名誉も幸せも他人がくれるもの

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何を「成功」と考えるかなんて宗教なんだから、宗派によって考えが違うのは当然。で、自分の考える「成功」を追求する役にはあまり立たないかな。換骨奪胎してできることだけやってみよう。多分、この本が推奨する「成功」には至らないだろうけど。
池上彰の「はじめてのサイエンス」は以前に読んだことがあるけど、初学者向け物理学の解説ってどうしても似たような切り口になって、そして読む側は同じ場所で引っかかるな、という印象。

評価:☆☆★★★
理解できないのは著者のせいじゃなくて自分のオツムの問題だ。中学・高校の頃に「理数系はからっきしなのに文系だけ全国レベルなのってキャラが立っててカッコよくない?」とか思って授業サボりまくったのが災いした。

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・周りのものに色が付いているのではなくて、ものに当たって反射した光を目が認識することで色が分かる。
→いや、トマトは赤いから赤いんでしょ……。光が反射しまくってるなら眩しくて目なんて開けてられないよ。

・原子核の周りを電子が回っている図は正確ではない
→そりゃそうだ。これが正しかったら体中がぐるぐる回ってるってことジャン!
・電子は回っているのではなく、原子核の周りに確率的に存在しており、同じ場所に同時に在り同時に無いものである。
→何言ってんだ。
→じゃあなんですか!ピストルで撃たれても弾丸がうっかり体をすり抜ける可能性はゼロじゃないってことですか!
→そうだね。
→ええー……。

・光は粒子と波の両方の性質を持つ
→「干渉するから波」の意味がもう分からない。二重スリット実験なんか色んな本でよく見るけどさっぱり。というか光は光だろ、光が粒子だったら世の中が粒で満たされてて動くたびにぶつかるし、夜になったらなくなって朝になったら出現するってことじゃん?光は光だよ。

理系の本を読むと自分がチンパンジーになったような、嫌な気分になるね。よくわかんない数式で世界の秘密を独占するインテリを見てるとクメール・ルージュって単純にポル・ポトの劣等感から出た暴挙なんじゃないだろうかと同情的になったりする。
無趣味で時間を持て余すので何か新しいことをはじめる切っ掛けが欲しくなったので。

評価☆☆★★★

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女性のおひとり様は10年近く前から話題になってて関連書籍も割と出版されてるけど、これは完全に男性向け。ただ、想定してる読者層のハードルが高い。お一人様旅行でポンと40万~とか椅子が18万とか、「高くても良いもの」を求める人向け。
あと、「GWは海外で気ままに過ごす」とか「高級ホテルのバーで洗練されたひととき」とか編集者の価値観がいちいち鼻につく。しかも紹介されてる店がことごとく銀座・新宿・品川・高円寺で地方民はおろか首都圏民さえ眼中にない、典型的な「日本人=23区民」思想で凝り固まってるときた。

ただ、紹介されてる内容が雲の上すぎるから却って現実感が無く、そんな世界もあるんだなという視点ではスゴく楽しめた。ドレスコードに気を使って交通費払ってホテルでマティーニに2,000円も払うなら家でパイの実パクパクしてる方がよっぽど良くない?比べるものでもないか。

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というか、そもそも紹介されてるような「いい店」は混んでるんだよね。劣等感を刺激されるから誰とも会わないためのおひとり様なのに、そんなところにノコノコ出掛けるのは魂の自殺ではないのか。それともハイソな人はハイソ同士で緩やかな連帯意識が持てるのか。
評価☆★★★★

自分はご多分に漏れず中学~高校にかけて「論語」だとか「孫子」だとか読んでた勢。久しぶりに図書館で浅野裕一の「孫子」を借りてこようと思った矢先にこの本がUnlimited対象なのを見つけたので読んでみた。
内容はベネッセよろしくダメ社員たちが孫子の兵法を読んで実践することで社内プレゼンを成功させ大活躍するお話と、孫子の文言の解説。
マンガそのものは期待してなかったものの、肝心の解説が強引で、孫子の兵法の内容を無理やり営業職のノウハウに結びつけてるもんだから最終目的が「他社を出し抜くには」「交渉の場でどう立ち回るか」に終止しがちで、内容を製造・管理他の部門に転用しづらいと感じた。ビジネス書としては他を当たった方が良い。
漫画の方は女性社員がみんなパンツルックかつ、スラッムチッって感じで、そこだけは褒めたい。

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