部屋とゴミ箱と私

2006年7月30日日常

仕事で、お世話になった社員とバイトの人が突然辞めてた。知らぬ間に。普通なら最後に会えなかったことが残念だったり、後悔したりするのかな。正直俺はそういった感情よりもワクワクの方が先に立った。
決して嫌いだったわけじゃなく、むしろ仲良かったんですよ。ただ、突然の別れによってその人との関係が終了するという事が、えも言われぬ充足感をもたらすんです。

そもそも、俺の趣味って「捨てること」なんですよ。ものを集めるのは好きなんだけど、コレクションを維持することに興味が無いというか、どんなに大事にしてたものでも「フッ」と霊感が降りた瞬間に捨ててしまう。わざわざ作ったガンプラも手間暇かけたフィギュアも全巻そろえた漫画も。改めて意識したことは無いけど、廃棄は俺にとって支配の終了ではなく完成なんだろうなとは思う。

自分の所有物を、有無を言わさず捨てる。暴力的にゴミ箱に放り込み、冷徹にゴミ袋に押し込む。ものと共にある思い出も愛着も纏めて捨てる。支配関係が完了して、永遠に支配が固定される。取り返しが付かない事を理解して、そして僕の下半身はキュッってなるんです。それが、たまらなく良い。

このように明確な意思を以って関係を終了させるのは好きなんですが、いつの間にか亡くす、とかは最悪です。グズグズと引きずってしまって、なんとも情けない。引導を渡せないから関係を終わらせることが出来ない。
逆に今回みたいに相手の意思によって俺自身が捨てられる。これもいいですね。あるとき突然、一方的に関係が終了する。もう仕事の後にコーラ飲む姿も見れなければ、シフトの相談をすることも無い。……取り返しが付かない。最高です。

だから君が望む永遠も好きですよ。取り返しが付かないのが良い。まだどうにかなる、やり直せる、ボールはまだ生きている。これでは思い出が、エピソードが完成しない。

なんだか日記書き始める前に意図してたのとは着地点がずいぶん変わったなあ。本当は物がなかなか捨てられないであろうみんなに捨てるコツをアドヴァイスするつもりだったのに。
とりあえず半年読まなかった漫画は全部捨てる。買ったその日に読まなかった本は惰性傾向が高いので既刊もまとめて捨てる。フィギュアにホコリが積もってるのは触ってない証拠なので捨てる。ゲームはクリアしたら売る。雑誌は読み終わったらすぐ捨てる。服はローテーションを一回でも外れたら捨てる。
これだけやればスッキリしますよ。快適なポイ捨てライフを。