劇場版ラブライブ!SCHOOL IDOL the MOVIE感想(ネタバレ)
2015年6月21日 日常見た直後の感想としては「落とし所はまあまあだったから及第点かな……いやでもこれそんな高い点数あげられるシロモノじゃないな……」というもの。
もともとラブライブ!は2期の卒業式によるエンディング→アニメは終わるけどまだまだ何かが起こるよ!という含みを持たせたエピローグが好きだったので(穂乃果さんのモノローグには飽き飽きだったが)、映画版は見るつもりなかったの。
職場の後輩が「marioさんラブライバーなんですよね?一緒に映画行きませんか?」って誘ってくれたからしぶしぶ行くことになった。勿論、ラブライバーは否定したよ。
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映画館に辿り着いた面子は花陽推し26歳と真姫推し24歳、そして映画館までの道中にデコレーション・ドリ〜ミンッ♪聴きながら桃子に夢でお会いしたいなあとか考えてた私。
入場者特典の色紙は海未ちゃんでした。推しキャラはいないけど、3rd~5thと1期2期OPとアニメ準拠の制服姿は海未ちゃんが一番可愛いと思うので善し。各劇場で穂乃果さんの色紙がゴミ箱に捨てられてたという未確認情報が飛び交ってるのはやや心が痛む。2年生組だと男女ともに人気は一人負けだろうけどもう少しこう。
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行数は稼いだからそろそろ内容に。
当日の出発前に見ていったPVから受けた印象だとニューヨークでのライブがクライマックス!って感じたけど、そんなことは全然なかった。むしろそこからが映画のテーマというか、SCHOOL IDOL the MOVIEってそういう……という感じ。
全体の流れは
第3回ラブライブ!はドームで開催?とはいえ今のままでは箱が埋まらない。そこでスクールアイドルに勢いをつけるためにμ’sへ海外ライブのオファーが。
↓
スタチューオブリバティがそびえる世界の中心都市でのライブは大成功。
↓
帰国したらμ’s人気に火が付いてて解散とか言い出せる状態ではなくなっていた。
↓
周囲の期待に応えるため活動を続けるか?それとも自分たちの意志を貫くか?自分たちが解散すればせっかく盛り上がっているスクールアイドル熱に水を差すかも。ドーム開催ができなくなったら海外ライブの意味は?そもそも何のためにスクールアイドルになった?揺れるメンバー。
↓
自分たちはあくまでもスクールアイドルに拘って解散しよう!でも大好きな「スクールアイドル」のためにラブライブ!とは別にスクールアイドルの祭典を開こう!全国のスクールアイドルに連絡をとってみんなで盛り上げるんだ!
↓
イベントは大成功、μ’sは伝説になった。音ノ木坂学院アイドル研究会の部室には今年も新入生が詰めかけ、3年生になった雪歩とアリサが今年のラブライブ!目指して新入生に語りかける。
脚本の意図としてはスクールアイドルとは?というテーマに取り組みつつ、μ’sだけじゃなく全国のスクールアイドルを扱うことへの違和感を払拭した、サンシャインへの橋渡し的な意味もあったのかなと。
問題点はランディングを無事に決めるために脚本の粗がほったらかしになりすぎてること。特に前半の海外パートは心底酷い。後半も穂乃果さんが悩むシーンの尺が取られすぎてて、TV版でなぞった流れの再放送感が凄い。前半パートで穂乃果さんがトラブルメーカーと呼ぶのも憚られる失敗請負人ぶりを発揮してたせいで、お前いい加減にしろよ的なヘイトを集めてたのも可哀想。
概観はこんなところにして前半と後半に分けてもう少し語りましょう。
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自由の女神らしきものが建っててマンハッタン島みたいな場所があって英語が公用語っぽい世界の中心地……いったい何ヨークなんだ……。コナミがニューヨークを商標登録でもしてんのかってくらい、頑なに地名に言及せず「海外」だけで通したね、これ意味あったんですか。
出国のシーンでダフラやってくれたらと思ったけど、そんなことは当然無かった。
そもそもこの海外編、劇中だと最短で2泊3日(もしくは3泊4日で3日目の夜にライブ)ってスケジュールでμ’sにオファー出してるのに、少なくとも2日目の朝の段階でライブ会場が決まっていない(しかもμ’sのメンバーに会場決定権をある程度委ねている)という設定からして馬鹿げてる。理事長は理事長で引率さえ付けずに英語が喋れない9人(一人はリスニングOKなことが現地で発覚)をそのままポーンと海外に送り出すという不始末。
1年生組による劇中歌とPVでもおなじみのAngelic Angelが無かったらテンションが危なかった。どっちもクオリティ高かったね、CGもしっかり時間と予算を注がれてた出来だった。
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さて日本に帰ってきてからμ’s人気が燎原の火のごとく、ってのはまあいい。しかし生徒が帰ってきて空港が出待ちのファンでサイン待ちの列ができる事態なのにノータッチな学校側は何なの。今回の理事長は完全にラブライブ!運営委員会のメッセンジャーで、保護者としても学校の責任者としても全く役に立たない舞台装置。花陽あたりが「アイドル研究会宛てにメールが届いてます!」って言えばまるまるカットできるだけの存在だったのが残念。
そういえば凛ちゃんの母親らしき人物が終盤ほんのワンカットだけ映ってたね。そっちは気になる。
閑話休題。μ’sがスクールアイドル界隈だけでなく全国規模の知名度になったことで穂むらにファンが押しかけて大繁盛!って描写は絶対に余計だったと思う。またラブライバー無法者事件を掘り返す気か。
いまさら解散だなんて言えないんじゃ?と悩むメンバーは実際の所、決断をほとんど穂乃果に丸投げ。9人で話し合いを重ねた様子は一切無い。3年生は3年生だけで結論を出して穂乃果にメールしてたけど、もう少しやり方があるだろとは思った。実際に一人思い悩む穂乃果さんはA-RISEに誘われ、「この3人でこれからも活動していきたいから、卒業後もアイドルとして活動する」というツバサの思いに煩悶を深くしていく。
結局はGNスクールアイドル空間での対話によって、「限られた時間の中で輝こうとするスクールアイドルが大好きなんだ」って無難な結論に至るけど、これで「終わらせない」ことを選んだら、BDは全部処分しようと覚悟してたところなので指ぬきグローブGJ。
最終的にはμ’sの旗振りで大勢のスクールアイドルがアキバ野外ライブ、しかもおそろいの衣装と全員曲まで!って状態でクライマックスを迎えるわけだけど、劇中描写だとμ’s解散ライブのバックダンサーにすぎなかったわけで、描写の仕方が他にあったんじゃないの、とは言いたくなる。ただ、同系統の服装とはいえ画面を埋め尽くす多人数をダンスさせた作画班は頑張った。
エピローグで雪歩とアリサが3年生として登場(リボンの色と花陽の代が居ないことにより)したのは実にいいサービスだった。顔立ちが中学生の頃から変化してるように見えなかったのはガッカリだけど。
やっぱり部活ものは主要キャラが卒業してこそ。ちばあきおのキャプテンなんて、1巻からあれだけ活躍したイガラシが、全国大会優勝の逆転ホームインで終わった話の次からは一切出て来ないんだぜ!
μ’sが、スタッフが伝えたかったのも、μ’sの輝く時間は終わったけどこれからもスクールアイドルはいろんな場所で輝き続ける!一つの星が卒業して消えても星空が寂しくなることはない!ってことでしょ、怪物が甲子園で活躍しても次の年にはまたトンデモが出てくるでしょ。
ラブライブ!をアイドルアニメではなく部活アニメとして解釈してる理由は個々にあって、やっぱり時間制限のあるテーマだからこそ、サザエさん時空にせずしっかり終わらせたことは評価できる。
ラストナンバーであるそれは僕たちの光、があっさり目だったのには失望したけど、食い足りないくらいの方が心に残る面もあるかもね。
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ここまで本編のカギを握る新キャラである謎のシンガーに一切触れなかったけど、実際に触れなくてもいいというか、あのキャラ要らなかったんじゃ。あのシンガーが居なくても穂乃果さんは答えに辿り着いたと思うし、意図が全く分からない。メンバーと繋がりがあるわけでもなく、前触れもなくふっと消えてしまうし、そもそも実在するヒトかどうかさえ分からない。「高山みなみってコナンですよね」「乱太郎もやってたね」「TWO-MIXとかね」「「何ですかソレ?」」というやりとりで30代がダメージを負っただけだったよ。
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もっと全力で叩き潰すような愚痴になるかと思ったけど、案外楽しめてたな。それでも劇場が明るくなった瞬間は凡作感で立ち上がれない程だったのに。ラブライブ!に関しては無意識にハードルを上げまくってるのかもしれない。実際、練習着をバックに流れるEDは終わった感があって良かった。良かったよ……ラブライブ!のアニメスピンオフ。アニメはあくまでメディアミックスだからね、まだμ’sは続いていいんだからね。
もともとラブライブ!は2期の卒業式によるエンディング→アニメは終わるけどまだまだ何かが起こるよ!という含みを持たせたエピローグが好きだったので(穂乃果さんのモノローグには飽き飽きだったが)、映画版は見るつもりなかったの。
職場の後輩が「marioさんラブライバーなんですよね?一緒に映画行きませんか?」って誘ってくれたからしぶしぶ行くことになった。勿論、ラブライバーは否定したよ。
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映画館に辿り着いた面子は花陽推し26歳と真姫推し24歳、そして映画館までの道中にデコレーション・ドリ〜ミンッ♪聴きながら桃子に夢でお会いしたいなあとか考えてた私。
入場者特典の色紙は海未ちゃんでした。推しキャラはいないけど、3rd~5thと1期2期OPとアニメ準拠の制服姿は海未ちゃんが一番可愛いと思うので善し。各劇場で穂乃果さんの色紙がゴミ箱に捨てられてたという未確認情報が飛び交ってるのはやや心が痛む。2年生組だと男女ともに人気は一人負けだろうけどもう少しこう。
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行数は稼いだからそろそろ内容に。
当日の出発前に見ていったPVから受けた印象だとニューヨークでのライブがクライマックス!って感じたけど、そんなことは全然なかった。むしろそこからが映画のテーマというか、SCHOOL IDOL the MOVIEってそういう……という感じ。
全体の流れは
第3回ラブライブ!はドームで開催?とはいえ今のままでは箱が埋まらない。そこでスクールアイドルに勢いをつけるためにμ’sへ海外ライブのオファーが。
↓
スタチューオブリバティがそびえる世界の中心都市でのライブは大成功。
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帰国したらμ’s人気に火が付いてて解散とか言い出せる状態ではなくなっていた。
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周囲の期待に応えるため活動を続けるか?それとも自分たちの意志を貫くか?自分たちが解散すればせっかく盛り上がっているスクールアイドル熱に水を差すかも。ドーム開催ができなくなったら海外ライブの意味は?そもそも何のためにスクールアイドルになった?揺れるメンバー。
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自分たちはあくまでもスクールアイドルに拘って解散しよう!でも大好きな「スクールアイドル」のためにラブライブ!とは別にスクールアイドルの祭典を開こう!全国のスクールアイドルに連絡をとってみんなで盛り上げるんだ!
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イベントは大成功、μ’sは伝説になった。音ノ木坂学院アイドル研究会の部室には今年も新入生が詰めかけ、3年生になった雪歩とアリサが今年のラブライブ!目指して新入生に語りかける。
脚本の意図としてはスクールアイドルとは?というテーマに取り組みつつ、μ’sだけじゃなく全国のスクールアイドルを扱うことへの違和感を払拭した、サンシャインへの橋渡し的な意味もあったのかなと。
問題点はランディングを無事に決めるために脚本の粗がほったらかしになりすぎてること。特に前半の海外パートは心底酷い。後半も穂乃果さんが悩むシーンの尺が取られすぎてて、TV版でなぞった流れの再放送感が凄い。前半パートで穂乃果さんがトラブルメーカーと呼ぶのも憚られる失敗請負人ぶりを発揮してたせいで、お前いい加減にしろよ的なヘイトを集めてたのも可哀想。
概観はこんなところにして前半と後半に分けてもう少し語りましょう。
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自由の女神らしきものが建っててマンハッタン島みたいな場所があって英語が公用語っぽい世界の中心地……いったい何ヨークなんだ……。コナミがニューヨークを商標登録でもしてんのかってくらい、頑なに地名に言及せず「海外」だけで通したね、これ意味あったんですか。
出国のシーンでダフラやってくれたらと思ったけど、そんなことは当然無かった。
そもそもこの海外編、劇中だと最短で2泊3日(もしくは3泊4日で3日目の夜にライブ)ってスケジュールでμ’sにオファー出してるのに、少なくとも2日目の朝の段階でライブ会場が決まっていない(しかもμ’sのメンバーに会場決定権をある程度委ねている)という設定からして馬鹿げてる。理事長は理事長で引率さえ付けずに英語が喋れない9人(一人はリスニングOKなことが現地で発覚)をそのままポーンと海外に送り出すという不始末。
1年生組による劇中歌とPVでもおなじみのAngelic Angelが無かったらテンションが危なかった。どっちもクオリティ高かったね、CGもしっかり時間と予算を注がれてた出来だった。
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さて日本に帰ってきてからμ’s人気が燎原の火のごとく、ってのはまあいい。しかし生徒が帰ってきて空港が出待ちのファンでサイン待ちの列ができる事態なのにノータッチな学校側は何なの。今回の理事長は完全にラブライブ!運営委員会のメッセンジャーで、保護者としても学校の責任者としても全く役に立たない舞台装置。花陽あたりが「アイドル研究会宛てにメールが届いてます!」って言えばまるまるカットできるだけの存在だったのが残念。
そういえば凛ちゃんの母親らしき人物が終盤ほんのワンカットだけ映ってたね。そっちは気になる。
閑話休題。μ’sがスクールアイドル界隈だけでなく全国規模の知名度になったことで穂むらにファンが押しかけて大繁盛!って描写は絶対に余計だったと思う。またラブライバー無法者事件を掘り返す気か。
いまさら解散だなんて言えないんじゃ?と悩むメンバーは実際の所、決断をほとんど穂乃果に丸投げ。9人で話し合いを重ねた様子は一切無い。3年生は3年生だけで結論を出して穂乃果にメールしてたけど、もう少しやり方があるだろとは思った。実際に一人思い悩む穂乃果さんはA-RISEに誘われ、「この3人でこれからも活動していきたいから、卒業後もアイドルとして活動する」というツバサの思いに煩悶を深くしていく。
結局はGNスクールアイドル空間での対話によって、「限られた時間の中で輝こうとするスクールアイドルが大好きなんだ」って無難な結論に至るけど、これで「終わらせない」ことを選んだら、BDは全部処分しようと覚悟してたところなので指ぬきグローブGJ。
最終的にはμ’sの旗振りで大勢のスクールアイドルがアキバ野外ライブ、しかもおそろいの衣装と全員曲まで!って状態でクライマックスを迎えるわけだけど、劇中描写だとμ’s解散ライブのバックダンサーにすぎなかったわけで、描写の仕方が他にあったんじゃないの、とは言いたくなる。ただ、同系統の服装とはいえ画面を埋め尽くす多人数をダンスさせた作画班は頑張った。
エピローグで雪歩とアリサが3年生として登場(リボンの色と花陽の代が居ないことにより)したのは実にいいサービスだった。顔立ちが中学生の頃から変化してるように見えなかったのはガッカリだけど。
やっぱり部活ものは主要キャラが卒業してこそ。ちばあきおのキャプテンなんて、1巻からあれだけ活躍したイガラシが、全国大会優勝の逆転ホームインで終わった話の次からは一切出て来ないんだぜ!
μ’sが、スタッフが伝えたかったのも、μ’sの輝く時間は終わったけどこれからもスクールアイドルはいろんな場所で輝き続ける!一つの星が卒業して消えても星空が寂しくなることはない!ってことでしょ、怪物が甲子園で活躍しても次の年にはまたトンデモが出てくるでしょ。
ラブライブ!をアイドルアニメではなく部活アニメとして解釈してる理由は個々にあって、やっぱり時間制限のあるテーマだからこそ、サザエさん時空にせずしっかり終わらせたことは評価できる。
ラストナンバーであるそれは僕たちの光、があっさり目だったのには失望したけど、食い足りないくらいの方が心に残る面もあるかもね。
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ここまで本編のカギを握る新キャラである謎のシンガーに一切触れなかったけど、実際に触れなくてもいいというか、あのキャラ要らなかったんじゃ。あのシンガーが居なくても穂乃果さんは答えに辿り着いたと思うし、意図が全く分からない。メンバーと繋がりがあるわけでもなく、前触れもなくふっと消えてしまうし、そもそも実在するヒトかどうかさえ分からない。「高山みなみってコナンですよね」「乱太郎もやってたね」「TWO-MIXとかね」「「何ですかソレ?」」というやりとりで30代がダメージを負っただけだったよ。
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もっと全力で叩き潰すような愚痴になるかと思ったけど、案外楽しめてたな。それでも劇場が明るくなった瞬間は凡作感で立ち上がれない程だったのに。ラブライブ!に関しては無意識にハードルを上げまくってるのかもしれない。実際、練習着をバックに流れるEDは終わった感があって良かった。良かったよ……ラブライブ!のアニメスピンオフ。アニメはあくまでメディアミックスだからね、まだμ’sは続いていいんだからね。
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