関ヶ原(中) 著:司馬遼太郎
関ヶ原(下) 著:司馬遼太郎
読みました。
週末に用事があって新潟まで行ってたんですが、下巻は移動中の電車内で一気に読んでしまった。

上巻では三成の駄目っぷりに頭が痛くなりつつ、家康の邪智暴虐ぶりに義憤を抱いていたわけですが、下巻が終わる頃には三成が憎めない、好きなタイプのキャラになってたし(歴史上の人物を『キャラ』と言いきってしまうのは抵抗があるけども、本人と会って話したわけでもないので描写されている部分=小説内のキャラクターでしか判断できない)、上巻では『馬鹿』の逸話で有名な趙高イメージだった家康も他の悪人に例えるのではなく、『家康』として捉えることができた。

それにしてもこの小説、上中下で目立つ人が全然違う。
上巻では反三成の代表として調略を受けたり家康の屋敷に乗り込んだりしてた加藤清正は中・下巻では一言も喋らないし、直江・景勝は中巻こそ出番があるものの、決戦が書かれる下巻では地の文でさえほとんど触れられない。
一方で上巻から出てるものの加藤清正の影に隠れてた福島正則は、中巻以降キャスティングボードを握るキーマンとして目立ちまくってる。
小山評定以降の上杉-伊達のやりとりも知りたいところだけど、そこはこれから読む『天地人』でフォローされてることを願う。
んで、『天地人』が終わったら秀吉が天下統一するまでの話が読みたいな。映像としては『清州会議』でも借りてこようか。

最初から最後まで三成の駄目なところをこれでもかと見せつけておいて、でも健気というか勉強は出来たんだろうけど……的なところでキュンキュンさせるという司馬さんの筆致は上手いもんだなと。っていうか三成って女性人気高いでしょ絶対。プライドの高い完璧主義のメガネキャラで不測の事態に弱いとかどんだけ狙ってるんだ。いやメガネはかけてなかったかもしれないけど。というか当時の日本にメガネがあったかどうか知らないけど。

気に入ったのは堀尾忠氏。才気煥発なれど身から出た錆で失敗しちゃう人って好きです。ほら、鶏肋さんとか。
一方で気に喰わないのは山内一豊。まあ山内は容堂にもいいイメージ無いからなあ。それと、張飛の悪いところを煮詰めたような印象を受ける福島正則。あと長束正家と増田長盛は絶許だし吉川広家にも怒り心頭だけど、それ以前に毛利家の内輪揉めが情けなさすぎて辛い。金吾中納言はあまりにも無能に書かれすぎてて逆に哀れを誘った。

西軍が勝っていたら……という思いはあるけど、小説内では一貫して、内府は一敗地に塗れても再起するし民草は豊臣の世が終わるのを願ってるし……って立場なのがなあ。ひょっとしたら東軍に寝返った大名も戦のない平和な世を願って家康の器量に賭けたのでは……と好意的に考えることも出来るかも。

それにしてもあれだけやらかしておいて上杉はよく減封だけで済んだもんだ。家康と直接に干戈を交えたわけではないのが良かったのかな。

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戦国熱が一気に高まったので、5年前に戦国時代の入門編として買って放置してたPSアーカイブスの『信長の野望 烈風伝』を引っ張りだしてみたが、一番遅いシナリオでも秀吉による小田原城包囲だった。いやその時代はまだ勉強してないので……。
ついでにカーソル移動にアナログスティックが対応してないとかいうアレっぷりにげんなりした。KOEIの歴史ゲーはマウスでやらないと駄目ね。でもwin10に対応してるゲームって本当に最近のものだけなんだなあ……。

コメント

ジョー
2016年3月9日20:34

いやいや、武将なんてどれも同じでしょ。
と振られている気がして。
https://www.youtube.com/watch?v=Bp_JCOWYorA

mario
2016年3月11日23:57

こな
れに

気に入った章をぱらぱらと読み直してみたんですけど、やっぱり司馬遼太郎の三成、かわいいですよ。ウチの弟は軍師官兵衛で悪役やってたイメージが強くて嫌いらしいですけど。

ジョー
2016年3月12日16:52

俺はのぼうの城と戦国BASARAのイメージが強いです。
どちらにせよろくなイメージじゃないですわ。

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