2/23、上記イベントに参加した話。

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もともとDevil ANTHEM.の現場にはどこかのタイミングで一度行っておきたかった。理由はいくつか。

1.アイマスのPをやっているのに生の現場を知らないのは美観にそぐわないから。
完全に個人的な価値観なんだけど、ギャルゲーをプレイする前にちゃんと恋愛しておくべきだし、サッカーのゲームをやるなら自分でサッカーをやりたい。可能なら「生」を経験しておかないと、ゲームやアニメってのは要素の抽出・デフォルメを経て提供されるものだから題材の本質を見誤るし、アダルトゲームをプレイして性交を知った気になってしまう愚を犯す気がする。何より、百聞は一見に如かずという言葉もある。

2.アイドルアニメの描写を補完できるから。
ゾンビランドサガやWakeUp,Girls!、小さなライブハウスからはじまるサクセスストーリーに心躍らせておきながら、まだお尻に殻が付いてるようなアイドルを実際に応援したことがないのは勿体無い……というか、現場の経験があれば「アニメで見たアレだ!」といった風に感動できるのかなと期待して。
WakeUp,Girls!解散前に、劇中の「MACANA」みたいなライブハウスで演者とファンが近い位置でライブするのを見たらWUGをもっと味わえるかもという気持ちもあった。

3.同僚Pの日記の持つ熱に感動したから。
2月の一番新しいエントリ。それまでのものは目がスイスイ流れるだけだったけど、この文章からは確かに訴えるものを感じた。彼が見ているもの、夢中になっているものを自分も見てみたい、と思わせるような。これは本人の人徳もあるのだろうけれど。

4.デビアンの新しい衣装(青基調のやつ)が好みだったから。
同僚Pがデビアンデビアン言いはじめた頃に自分でもggってみたんだけど、ピンクと黄色の派手でヒラヒラな衣装にいかにも子供らしい顔立ちを見てタブを閉じてしまったことがあって。
それが同僚Pのブログに添付されてた画像だとグッと引き締まって別グループのよう。実際にこの衣装で踊るところを見たいな、と思った。

5.自分のアイドル観を確かめるために。
ガラスの壁に閉じ込められて周囲の視線も歓声も一切気にせずに歌うだけの超然とした存在、それが今の自分の考える理想のアイドル像。でもそれが本当に理想なのか?って迷いもあったから、いろんなアイドルの形に触れてみたかった。

6.暇な日だったし無料だったし同僚Pに付いていけばいいし1時間程度って聞いてたし終わったあと焼肉を食べに行く予定もあったし。
年をとると新しいことを経験するのにエネルギーがかかる。それを軽減してくれる巡り合わせは大事にしたい。

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当日は開場定刻に池袋のライブハウスへ。地図を調べたら実はもう一組いるじゃない。やだ噂に聞く対バンってやつ?喧嘩するのか?(アイドルの現場を本当に知らない)と思ってナギに(同僚Pって書かなくてもいいよね)尋ねてみたら同じ事務所とのこと。そりゃ安心。
ドリンク代を払ってZEPPをぐぐーっと小さくしたような、Run,Girls Run!がデビューイベントを行ったAKIBAカルチャーズ劇場の半分も無さそうな広さの会場に足を踏み入れる。オールスタンディングの会場は何度か来てるし、客層も声優のイベントと大差ない。大差な……いや、年齢層高めじゃない?大学生っぽいのは殆ど見かけず、40代がメインじゃないのかという錯覚(錯覚かどうかさえ自信がない)を覚える。一番カネを持ってる世代ですからね、でもそれじゃあ先細りなんで女性や若い人に足を運んでもらおうと頑張ってるんですよ、とはナギの談。

プロデューサーが大音量好きだからと持参を勧められた耳栓をセットして、いざDevil ANTHEM.のライブスタート。
5m×5mもないんじゃないのかって気さえする狭い舞台袖から勢いよく飛び出すや話に違わぬ爆音に乗せて激しいダンスを披露する大人っぽい3人組……デビアンじゃねーじゃねーか!
現場の流儀がわからないから地蔵でいようとも思ったけど、郷土料理にソースを掛けるような真似はしたくないので周りに合わせて手を振ったり腕を突き上げたり足踏みしてみたりした。身体が一気に暖まったのは軽い運動を下からってだけじゃなく、会場が一気に温まったからだろうね。そして何より、3人組――Malcom Mask Mclarenのパフォーマンスが目を見張るものだったから。

白状すると、事前にデビアンの楽曲を予習したとき、歌唱力は大したことないし中学~高校生くらいだとダンスも期待できなさそうだなと思ってた。それに、大規模な声優ライブにばかり足を運んできた感覚だと、こんな狭い規模の会場で果たしてどれだけのものが見られるというのかと高を括ってた部分もあった。

でも、想像とぜんぜん違う。スラッとしてて、顔立ちがきれいで、動きがダイナミックで、ファンと演者を隔てる柵に足をかけて、(手を伸ばせ!手を振れ!)ってアピールしてくる。狭い会場で反響する歌声は耳栓越しだと何を言ってるのかよく分からないけど、必死なんだ、一生懸命なんだって熱意はたしかに伝わって、目が合うたびに惹きつけられた。

ただ、これがアイドルか!アニメとか声優とかラベルを外したアイドルかァ~!ってちょっとした感動を覚えていたら、曲の最中でいきなり周囲のファンが動き出すや輪になって踊りだしたのは唖然としたし、感極まって柵によじ登るや神輿の上で提灯を掲げるように舞台に向かって手を伸ばす人、柵に手をかけて取り憑かれたようにサージェントジャンプを繰り返す人を見て、集団幻覚でも見てるんだろうかとドン引きしたことも記しておく。

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MMMのインパクトが強くってデビアンの番だってのに心がmomoに引っ張られたままだったんだけど、いざ曲がかかったらこっちも大概すごかった。
KURUMI.はこの子がリーダーなんだろうなってすぐ分かる存在感があったし、YUME.はスラッとした細身で育ちが良さそうな佇まいは一番目を引く。KAEDE.は写真だと恵比寿様みたいな下膨れだなって思ってたのに実物はお人形さんみたいに髪はきれいだし踊ってる間ずーっと笑顔でこっちも嬉しくなる。AIRI.は本当に小さいのにパワーが溢れてて、とりあえず推しておこうと思ってたAKIRA.は可愛いしダンス上手いしパフォーマンス中の精悍な顔付きは間違いなく人気出ちゃうね……この子らが中学生?一番年上でも17歳?
学校帰りに友達と遊びたいだろうに、夜は流行りのドラマを見たいだろうに、日付が変わるまでゲームをしたいだろうに、ケータイの電池が危うくなるまで嫌いな先生やかっこいい先輩の話をしたいだろうに、休日は午前中いっぱいダラダラしていたいだろうに、彼女たちはそういう青春を「あり得た可能性」として捨てて来たんだ。先に何があるかも分からない荒野に貴重な10代の時間をBETしたんだ、他の女の子に倣って無難に過ごす道ではなく!

眼の前のか細い女の子たちに尊敬の念さえ湧いてきて、そんな彼女たちを支えたい、力になりたいと思うファンの気持ちも少しは理解できるような。実際、会話したり一緒のチェキ撮ったりで2,000円とか、それってメイド喫茶やキャバクラと一緒ですよね……と思う部分はあるんだけど、自分の使ったカネが運営にダイレクトに活かされる実感を持てる規模だなとは察せられたし、大手から見たら吹けば飛ぶような存在だからこそ自分たちが支えなきゃって気持ちも強かろうとも推し量れた。

正直、MMMもデビアンもメンバーの交代を繰り返してるのがすごく気になってて、ファンはシーズンごとに選手が移籍するプロ野球チームを応援してる感覚なのかな、いま応援してる人が辞めちゃうかもしれないのに身が入るのかな、と疑問に思ってた。でも、現場に足を運んで自分なりに腑に落ちた。
彼女らは色んな事情で去っていった先輩たちの背中を見ながらも、自分の夢のために、自分の居場所を守るために頑張ってるんだ。そしてファンも、「応援する」ことしかできないからこそ必死に応援するんだ。アイドルとファンで支え合って、お互いに夢から覚めてしまわないように、現実の風に吹き飛ばされてしまわないように、街の片隅の小さな世界を守ってるんだ。ナギの言う「アイドルだけじゃなくオタクもエモい」ってのはそういうことなのかな、寒風吹きすさぶ冬の夜にそんなことをぼんやりと考えた。

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外からの目で他人事のように書いてるけど、実際また足を運んでもいいなと思ったのは事実。少なくとも声優追いかけるより若くて可愛い子にヒットする確率が高そうだし。ただ、耳栓していてもスピーカーに近かった右耳がヒリヒリするのと、モッシュとかリフトに戸惑いがあること、引退や解散のリスク、スタンディングが大変だったり、千葉から東京(が多いだろう、間違いなく)が遠かったり、「アニメが好きだからその流れで声優のライブに行っているだけなんです」という自分への言い訳ができなくなったり、チェキに圧倒的な忌避感があったり、と冷静に考えてハードルは高いですね。

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