WakeUp,Girls! FINAL LIVE ~想い出のパレード~
2019年3月9日 日常2019年3月8日、声優ユニットWakeUp,Girls!はさいたまスーパーアリーナで“WakeUp,Girls! FINAL LIVE ~想い出のパレード~”を行い、6年間のユニット活動に終止符を打った。
これは事実だけど、明々白々な事実を並べるのは公式の記事に任せておけばいいね。自分がしたいことは調べれば分かることを記録しておくことじゃなくて、この日の自分しか分からない自分向けの記憶を留めておくことだから。WUGについて書く最後の日記になるかもしれないし、気が済むまでだらだら書くよ。
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WUGのことは放送前から知ってました。ガムをはじめ数人が盛り上がってたので。まあ自分は自分でラブライ部員だったので、別のアイドルアニメがはじまるんだふーんラブライブ!2期が4月からはじまるし、見比べてもいいかなくらいに思ってました。
2014年1月のTV放送時になると、実は結構楽しみにしてたらしいことが当時のつぶやきから分かりますね。
日記やつぶやきを振り返るに、最初はハナヤマタのおかげか美海と香耶が気になってたようです。美海はラジオでうえしゃまの世話を焼くしっかり者イメージとかなり違ったのが新鮮だったし、香耶は2015年4月に行われたハナヤマタのイベントで既に釘付けになってました。なんかこの人ぜんぜん笑えてないけど大丈夫かな、ってハラハラしながら。
それからは加速度的に没入して、イベントから1週間で映画を見て、さらに1週経つ頃にはTV版・がーるZOO、続劇場版まで一気に消化。GWが終わったあたりで開催されたアニュータのライブイベントを経てWUGLOVEに加入。舞台のBDを見て、WakeUp,Radio!の過去放送回を全部聴いて、ツアーに参加して……。
本当に楽しい時間だった。ハマったのを音泉のイベントきっかけと定義すれば約2年間、本当に充実させてもらった。
だから、最後のライブではWUGに報いたい。今までは「見たい」「聴きたい」思いが強くて地蔵スタイル中心だったけど、最後は大声で叫ぼう跳ぼう手を振ろう。広いSSAでWUGちゃんが不安にならないように、想いを届けよう。
前日はそんな決意を秘めて床に就いたんですが、まあ眠れない。結局3時間くらい意識を失ってたらあっという間に朝。不安になりながらさいたま新都心へ向かうのでした。
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9:00の物販開始に合わせて8:10にSSAに着くと、ワグナーだけじゃなく普通に勤め人の姿が目立つ。しまったスーツ着てくれば偶然ライブ会場に来てしまった社会人を演出できて、他のワグナーに対して有利取れるのに……と悔やんでも後の祭り。このあたりの思考は完全に支離滅裂で意味不明なんだけど、なんなんでしょうね、隙あらばサラリーマンアピールしていくところとか。無職が怖いのか、いい歳してライブに行くことへの負い目があるのか。
けやきひろばの一角に固まって座り込んでる物販列と思しき集団は、あれ意外と少ないなと思ったらどうも12:00過ぎからの一般販売の方だったらしく、会員で公開リハーサルのチケット持ってるワグナー限定の列はSSAを囲むようにずーっと伸びてた。早足でホール外周を駆け上がり係員の支持に従って列に並ぶ。たまたま耳に入った無線の情報によれば、この時点で並んでるのは1288人。他のライブの物販初動人数は分からないけど、WUGが今までやってきたライブの規模を考えると相当な人数だ。
晴れているものの風が吹いたり日陰に入ると肌寒い中、10:20には売り場まであと少しというところに。そしてここでTシャツ全サイズ・Lvブロマイド・バッジ・リボンチャーム・トートバッグが完売との報が。正直、本当に聞き間違いかと思った。物販開始前に並んでたのにTシャツが全サイズ完売?自分の前に並んでた人間全員じゃなくせいぜい3/4が購入したと仮定しても、ライブの動員人数(13,000人)に対して用意した数が少なすぎやしないか?ブロマイドも前日までの10セット制限を急遽7セットに変更したのに……いや、急遽変更せざるを得ないほどにワグナーが集まったんだろうか。だとしたらこのやるせなさも少しは救われるかな(結局、この日の物販は会員限定・一般向けともに完全完売した)。
ところで、並んでる間は当然ヒマだったので、完全版がWebで公開されてるというファミ通に掲載されてたWUG7人へのインタビューを読みはじめたものの、これがすごいボリューム。延々スクロールしていって、いやあ長かったな、と思ったら「次のページ 1/5」とか表示されてるんだもの。この分量であと4ページ!?いや正確には2部に分けられてるからあと8ページもあるのかよ!っていう。パンフレットもHOMEツアーの3冊がどれもスッカスカだったから期待しないでおいたら全員にロングインタビュー敢行してて……嬉しいけどスタッフはバランスを考えよう。
残っているアイテムを漁るように購入した物販列を離れ、ライブ恒例の「8,000円以上購入されたお客様向けの特典(バッジ・ブロマイド・チケットホルダー)」引き換えスペースに向かうと、そこでもつづら折りの列。うげぇ、と思いはしたものの、いざ並んでみると、最後のライブに気合を入れてきたワグナーの格好が様々で、それを見てるとなぜだか並ぶのも苦にならない。背中に大きく「菊間夏夜」と書かれたハッピ、「灰になる準備はできてますか」パーカー、多いのは最新アイテムであるメンバー名前入りのパーカーだけど、寒々しくもツアーTにビブスを羽織ってる人だっている。TrySailの3人の大きなイラスト缶バッジをリュックに付けてる人やアイドルマスターミリオンライブ!シアターデイズのデフォルメキャラがたくさんくっついたバッグを持ち歩く人……いや後者2人は来るとこ間違ってない?大丈夫?
こぼれ話ではあるけれど、公開リハーサル開場前で面白かったのはAゲート手前に設置されたWUG7人の等身大パネルを写真に撮る人たちの列。自然発生したものなのに結構な長さになってて、開場前のWUGLOVE本人確認列だと勘違いしたファンが並ぶもんだからますます列は長く無秩序に蛇行する。スタッフも「本人確認でいらした方は列に並ばずAゲートへお進みください!」って声張ってたわ。しかもこれ、リハーサルが開場する頃には写真を撮る人の列・本人確認列・入場列でさらに無茶苦茶な事になってて駄目だった。
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公開リハーサルはチケットを購入したWUGLOVE会員だけが入れるものだから、アリーナと200レベルの前の方しか席が埋まってないという状態。ガランとした会場を見渡して出てくる言葉は「広いな……」であるべきなのかもしれないけど、この日は「意外と狭いな」と感じた。初SSAだった2011年は規模に圧倒されっぱなしだったけど、スタジアムモードじゃなければこんなものなんだな、という印象。
席はA2ブロックの端っこで、花道やセンターステージは見づらいけどメインステージはよく見える場所。本番がD4の一番後ろでWゲートの入場口から徒歩10秒だったことを考えればいい位置でしたね。
WUGちゃんたちは7 Senses衣装で登場し、「本番ではやらないけど折角だから」と、最後になる“止まらない未来”や“リトル・チャレンジャー”を披露。
“極上スマイル”では、吉能がワグナーにずっと訊きたかったこととして、「お箸の国へ~」を美海が唄ってる時のコールについて言及。最後くらい美海のロングトーンを聴けよな!ってことだったんだろうか、それとも純粋に疑問だったのか。自分はコール入れてなかったのでよく分かりませんね。
マイクテストを兼ねた熱唱のあと低い声でボソッと「メインの音量もう少しお願いします」と要求する香耶や、フォーメーションの立ち位置を入念に議論・チェックするうち「ワグナーさん置いてけぼりだけど大丈夫?」と愛ちゃんが気づく展開など、普段見られないリハーサルのフレーバーが味わえてよかったね。「ワグナーさんの前で歌えて緊張が溶けた!」とか「SSAってステージと客席が割と近いんだね!」と手を振ってくれたり、七海は「すごーい、いっぱい人がいるー。みなさんはこのあと(のライブ)も来るんですか?」とボケて雰囲気を和やかにしてみたり。
時間にしてだいたい1時間ほど。スタッフの「それではこれで公開リハーサルを終了します。みなさん5時間半後にお会いしましょう」の言葉でWUGちゃん退場。5時間半……5時間半かぁ……。
結局、大宮の漫画喫茶でDr.Stoneを読みつつ1時間ほど仮眠してから、再び歩いて会場へ。このときライトニングケーブルとプラグを漫画喫茶に忘れてきたのが地味に痛い。純正は高いよアップル。
開演前にはWUGの全シングル・アルバムのCMをスクリーンで流してくれて、懐かしい映像に次々と歓声が挙がった。影ナレでは美海が登場を熱望した早坂さんが「おイモちゃんたちもマッシュポテトのパルミジャーノ・レッジャーノ掛けくらいにはなったかな」と早坂さんらしい称賛を送る。「行ってこい!」「かましてらっしゃい!」という松田マネ・丹下社長の激を受けて、最後のライブの幕が上がった。
松田マネージャー役の浅沼晋太郎は女性関係で評判が良くないけど、嫌いじゃないんですよね。この日のフラスタも「祝 公演」「最後まで駆け抜けよう」ではなく、「祝 新たなる旅立ち」で送ってて胸が熱くなった。多くのフラスタが七種七色に彩られてて見た目にも綺麗だったからパシャパシャと撮ってると、新潟の三幸製菓によるものも。パンフレットに企画担当者がコメントを寄稿してたんだけど、この人WUGちゃん好きなんだなというのが伝わってきてここでもジーンときた。ファミ通やMay’n、鷲崎健たち、スタッフや業界人にも愛されたユニットだったね。
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以下、最後のセトリ。
影ナレ(丹下社長・松田マネージャー・早坂さん)
M01. タチアガレ!
M02. 16歳のアガペー
M03. 7 Girls War
MC
M04. ゆき模様 恋のもよう
M05. 言の葉 青葉
アニメ映像再編集版「7人のアイドル~Beyond the Bottom」
M06. One In A Billion
M07. 素顔でKISS ME
M08. 恋?で愛?で暴君です!
M09. キャラソンサビメドレー(トロッコ)
ハジマル/吉岡茉祐
可笑しの国/永野愛理
ステラ・ドライブ/青山吉能
スキ キライ ナイト/奥野香耶
オオカミとピアノ/山下七海
歌と魚とハダシとわたし/田中美海
WOO YEAH!/高木美佑
Non stop diamond hope/ALL
M10. ワグ・ズーズー(トロッコ)
ファミ通WUGちゃんねる・WakeUp,Girls!のがんばっぺレディオ コラボ映像
M11. HIGAWARI PRINCESS(全員ver.)
M12. スキノスキル
M13. 僕らのフロンティア
M14. 7 Senses(トロッコ)
M15. 極上スマイル(トロッコ)
WakeUp, Girls!に贈る言葉(I-1Club・Run Girls,Run!)
M16. 雫の冠
M17. 少女交響曲
M18. Beyond the Bottom
MC
M19. 海そしてシャッター通り
M20. 言葉の結晶
M21. 土曜日のフライト
M22. さようならのパレード
EN01. SHIFT
EN02. 地下鉄ラビリンス
EN03. TUNAGO
MC
W EN. Polaris
TriEN. タチアガレ!
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HOME TOURは今まで着てきた衣装が再登場してきたから、FINALはどうなるんだろうなと思ってたら7人が制服で登場!からの“タチアガレ!”!
これには、そうきたかァ~と思わずニンマリ。
“7 Girls War”は最後の超人大会で愛理が渾身のダンスを見せれば、吉能は「でもね一緒に流した涙は」を美海に散々いじられた「ファー」で表現して会場のボルテージをネクストステージへ。
“言の葉 青葉”は、KADODEで見せた階段に腰掛けてひとりずつ次の人に「何か」を手渡していく間奏中の振り付けが凄く良かったんだけど、SSAでは最後に仙台の光のページェントがスクリーンに映しだされる演出で、文字通り光に溢れてた。「頑張ってねと 簡単に 言えないよ」静謐の中で透明感と声量のあるまゆしぃのソロが胸に刺さる。
ここでWUGは一旦退場。スクリーンには7人のアイドル~Beyond the Bottomの再編集映像が流れる。早坂さんと白木さんの「買いかぶりすぎだ」「じゃあ出来すぎです」ってやりとり、いいよなあ。
そして衣装チェンジからの“One in A Billion”……はMay’nへの忖度を感じたな。これはWUGの曲ではない、って理解をしてるから。でもまあMay’n本人はFINAL LIVE、招待席ではなく自分でチケット取って他のワグナーと大騒ぎしたらしいからやっぱり愛してくれてありがとうだわ。
続いての“素顔でKISS ME”はずーっと嫌いな曲だったんだけど、ようやくこのSSAで好きになれたかな。赤い太文字で歌詞を表示させるというダサかった舞台演出がスマートになって。
この日はトロッコもかなり使われてた。1人1台のトロッコに7人が乗り込んでキャラソン7曲をサビだけで歌いつなぐメドレーがはじまったんだけど、目の前に来たメンバーに合わせてみんながワグナーブレードの色を変えるもんだから誰がどこにいるのかよく分かるし、単純に綺麗。締めの“Non stop diamond hope”は正直、曲の存在を完全に忘れてた。キャラソン3はライブでもやる機会が少なかったし、これから発売予定のBDにも収録されないのが残念だ。個人のイベントでいつか披露する機会が訪れたらいいな。
再びの暗転(衣装チェンジ)でスクリーンに流れるは「ファミ通WUGちゃんねる」と「がんばっぺレディオ」のコラボ映像。これは完全版がwebで公開されてる(https://www.nicovideo.jp/watch/1552012143)。
「ファイナルライブ中、真っ先に泣きそうな人は?」で全員が吉能の名前で揃ったのは実に微笑ましかったし、「ちょっと待て~~い。何だよ感情爆発野郎って」で会場は大爆笑。愛され系リーダーだったよ本当。
5周年衣装で見せる“僕らのフロンティア”は、これまで「みんなが感情をうまく歌に乗せる中、CDどおりにしか歌えないことに悩んでいた」美海が仙台でチャレンジした歌い方がSSAで大きく花開いたと思う。ゆっくりと突き上げる腕、絞り出すような「憧れの方へ この手伸ばした」の落ちサビが今でも耳に残ってて、解散後だってのに新たな魅力に気づかされた曲。
I-1 ClubとRGR!による贈る言葉は、無難なこと言ってるなって人とこの人は流石……って人とに別れた。「これからも変わらず輝き続ける北極星に」って差し込んできた明坂はすげえよ。
メモリアル衣装に着替えた7人による“Beyond th Bottom”は事前のインタビューでメンバーが「他の人に歌ってほしくない」とコメントしてたのを読んでたので、これが最後の披露になるんだな、という思いもあって胸に迫るものがあった。美海がセンターステージに移動しながら「WUG最高~!」って叫んだときに感じたのは嬉しさとか楽しさというよりは救いだったのかもしれないね、曲が終わっても涙が止まらなかったもの。
MCを挟んで、ここからは新曲4連荘。締めを予感させる曲ばっかりだし正直この段階で結構時間が経ってたはずなんだけど、当日のテンポと会場の熱のおかげか体感はまさに「いま来たばっかり!」。“海そしてシャッター通り”は淋しげで儚げなメロディーと歌声が会場をレトロでセピアな空間にしてしまった。スローテンポの曲ではサイリウムをリズムに合わせて上下や左右にゆっくり振る人も多いと思うんだけど、周囲にはただ掲げる人や聴き入る人の姿が多かったように思う。
“言葉の結晶”は熊本で2回聴いてた。大阪では最後にサイリウムを消灯するお約束が出来たって話だと思ったんだけどね。上手く行かなかったのは残念。ダンサブルなのにリズムが取りづらい、パッションを殺してプラスチックのように無機質な声でという難しい曲だから、BDが届いたら是非見直したい。最後の「あなたに 誰かに 聴いてほしいことがある」で今まで抑えてた感情が爆発するところと、それを越えた先にある「輝きだけが 言葉の絶唱」でスーッとライトが落ちてステージから光が消える演出は当日を思い出して絶対にゾクゾクするだろう。
“土曜日のフライト”は分かりやすく歌詞に力があった。金曜日のライブを終えてただ一人になったメンバーの緊張した面持ちと、無機質な空港のセキュリティにさえ「守られている安心で 心が解けていく」様子、「証明をしないと」と気負う姿が描かれる1番、「彼女」と出会ってしまっても「私のこと噂してたみたいね」「棘は抜いておいた」と淡々と飄々とした風を装い、「憎しみで大人にさせられても 少女たちはいつの日にか卒業していく」というセンセーショナルなメッセージの2番。その後も「忘れないで でも上手に忘れて」「悔しい 怖い 泣きたい もうそのレベルじゃない」という本音とも取れそうな慟哭に、聴いている方の心も乱されてしまう。
ただ“さようならのパレード”には、そこでかき混ぜられた心を全肯定して前向きに――それも元気よく歩きだすのではなく諦観と無常観の先にある「光のないディストピア」に連れて行ってくれるという救いがある。それはBtBで「さあ混沌となったこの自由から逃げ出そう」とワグナーの手を引いてくれたのと同質のものだと自分は感じたんですよね。それが2番では、死や逃走を思わせるようなメッセージが出会いへの感謝に変わっていく。「さようならはいやだよ」と言いつつ「またどこかの場所で そっと鍵を開ければ 勇気が溢れ出す」「だけど背中押すみたいに あなたのリズムが聴こえてる」「それは強い鼓動と 鳴り止まない命の音」。ここで出てくる「あなた」はワグナーと取ってもいいけど、側で支え合った他のメンバーのことだと解釈しているよ。“土曜日のフライト”では一人だけになってしまった心細さが全面に出ていたけども、起承転結の構造になっているという新曲群は最終的に「ずっとそばにいたこと 時空へと刻んで誇りに思う 進もう!」「極上の笑顔で」「また会いたいんだ」と結ばれる。聴き終わって涙が出るというよりは体から力が抜けてしまうような――陳腐でつまらない言い方をすれば、心も魂も持っていかれるような4曲だった。
この曲やったあとで何をやるんだろう、何ができるんだろう。という懸念を吹き飛ばしたのがアンコール1曲目の“SHIFT”!「成長したい 成長したい 認証されたい」というギラギラの歌い出しにワグナーも力強く「レッスン!レッスン!」というコールで答える。湿っぽいままで終われない!という決意表明は電車に見立てるようにトロッコを使った“地下鉄ラビリンス”に続いていく。間奏ではラップで客席を沸かせ、まゆしぃも愛ちゃんも「ここだけもう一回やりたい!」と顔をほころばせていたのは、確実に終わりが近づく中での笑顔なだけにワグナーサイドも嬉しくなる。「手をつなごう 心をつなごう」の振り付けで会場が一つになった“TUNAGO”でアンコールは終了となったものの、Wアンコールが巻き起こるのは当然の話だよね、最後の挨拶もしてないし。
会場の声に応えて再びの登場はPolaris衣装。歌う前にワグナーへの手紙を順番に読み上げるというシークエンスは1/28のミルキィホームズFINALを想起させるけど、よくあると言ってしまえばそれまでか。正真正銘、最後の最後だもの、誰だって伝え漏らしがないようにしたいよね。
美佑は周囲へ、ワグナーへ、スタッフへ、メンバーへと「ありがとう」の言葉をひたすらに重ねた。後半に「ありがとう!ありがとう!ありがとう!」と明るいトーンで3回重ねたところは、2週間前の仙台でかやたんが繰り返した「ありがとう」とのニュアンスの違い・二人のキャラクターの違いを感じたね。最後にうっかり噛んじゃって、即「噛んでません!」とはにかみながら訂正するところも美佑の可愛らしさだ。
「おかしいなー結構クるなー」と首をひねりながら話しはじめた七海は、いつもたくさんのお手紙をありがとうございます!私の存在を尊く思ってみたり、同じ時代に生まれ、生きていることに感謝してみたり……ワグナーさんのお手紙はいつも話が大きいですね!
と、相変わらずのちょっととぼけた調子で会場の爆笑を誘う。徳島の田舎の子がこんな風になれたことへの感謝と、それでも根本は変わらないこと、そして自分の核がWUGとともに在り、今日ファイナルを迎えても、関係なく私に根付いていますと語り、「だから、絶対つないでいく!」と今後の声優人生への決意を可愛くも力強い声で誓ってくれた。
泣き虫の美海はところどころ詰まりながら6年の思い出を振り返り、多くの出会いが自分を変えてくれたことへの感謝を語る。私を信じてこれからもついてきてください、極上の笑顔でまた会う日まで、ときっちり纏めるのは優等生の美海らしい。
まゆしぃは脚本を書いたり歌が好きになったりカッコいいと言われるようになったり……そんなWUGとしての人生が今日終わることに触れ、「正直、怖いです」と素直な気持ちを吐露。それでも、「やっぱこの7人、最強なんです(笑)」と不敵な笑みを浮かべ、同じスタートを切った仲間がみんな一緒にゴールして、これから別々の道を行くことは不安だけど目の前に広がる最高の景色が助けになってくれると語った。「忘れないで。ここにWUGがいたことを。みんなの中でWUGという存在がずっと輝ける思い出になってくれれば物語は続いていく」「だからあえて言わせてください。WakeUp,Girls!をこれからも宜しくお願いします!」
愛ちゃんは「今気づいてもらえなくてもいい、5年後10年後20年後にWUGって凄いグループだったと言ってもらえる自信があります」と、全力で走り抜いた6年への自信を滲ませ、「満開ばかりが魅力ではない桜のような人間になります」と決意表明。
かやたんは、「『岩手県から来ました、奥野香耶です』その瞬間、審査員全員のペンが動いた」という独特の出だしからメンバーへのメッセージを語った。美佑の声が好きでオーディションのときに声をこっそり録音したこと、ホテルで七海とラジオパーソナリティごっこをしていて、同じ部屋になるために口裏を合わせたこと、美海の男の子声が大好きだったこと、真剣な相談はいつもまゆしぃにしていたこと、夢を語り合った愛理、よっぴーはジョギング中に迷子になったエピソード……(笑)。
「4月以降みんなで一緒にご飯食べに行くときに私は行かないかもしれないけど、そういう人間なだけだから気にしないでね、フフ」と笑ってみせるところが最高に香耶だし、「活動をはじめてからずっと自分を出せなくて、まるで水面から半分だけ顔を出して呼吸をしているようでした」と当時の心細さを振り返りながら、「自分が輝ける瞬間=90%の人が理解出来ない行動をしている時」なのに、そんな自分を好きだと言ってくれるワグナー、理解しようとしてくれたメンバーへの感謝を重ねる。「これからも、みんなのことびっくりさせちゃうんだから!いつかまたみんなを東北に連れて行くから、その時がきたら是非遊びに
おでんせ」と可愛い発言と方言で決めるところがTHE・香耶。こんなん恋するわ。
最後の「私を声優にしてくれてありがとう」という菊間夏夜への言葉は複雑な思い(次のエントリで補足予定)に思いを馳せるとグッと来ますね。
吉能は声優の扉をようやく開けたと思ったのにしんどいことや挫折ばかりで悔しくて泣いて誰を頼ればいいか途方に暮れて、それでも辞めようとは思わなかったと告白。前々からWUGもワグナーもひっくるめてみんないつまでも一緒の家族だと言ってたから、そんな中決まった解散がショックだったこと、でも後悔しないためにありがとうもごめんなさいも大好きも残らず伝えたいと9ヶ月過ごしてきたと語る。そして「明日からは青山吉能の人生第2章がはじまります!みんなの人生も明日から第2章です!これからも元気で生きてください!」と吉能らしい前向きさで締めた。最初っからボロボロ泣いてて、何度も言葉に詰まりながらだったけど、最後は笑顔になるのが吉能であり、それはひょっとしたらWUGの在り方そのものなのかもしれない。
泣きっぱなしで“Polaris”できるのか?と思ったし、吉能は案の定はじめのうち声が出てなかったけど、「満天の星空を、ありがとう!」と叫ぶまゆしぃの想いは全ワグナーに届いたはずだし、「今日はじめてWUGのライブに来た人!」で挙手してた隣の人と肩を組んで「Lalalalala......」を歌うのは最高の気分だった。
ライブで極まれにやってくる、この時間が永遠に続くと無根拠に信じられる瞬間、そして振り返ったとき空気感さえ鮮明に思い出せる瞬間だった。
そしてトリプルアンコールに応えて出てきたWUGちゃんは、頼れるセンターが「そんなもんじゃねえだろ、まだまだ声出せるだろSSA!」と会場を煽りまくり、本当に最後となる「灰になる準備はできてますか!」で“タチアガレ!”を披露。何度も何度も聴いたイントロで自然と涙が出てきて、あと5分弱で本当に終わっちゃうんだなと自覚したのを最後に、記憶は「聴いて 聴いて 必死に歌うから 笑われてもいい 負けはしない」まで一気に飛ぶ。「タチアガレ!」の声でWUGもワグナーも会場が一つになって、間奏の激しいダンス、吉能の美しいファルセットが会場に染み込んでいく。
万雷の拍手に送られてステージの一番高いところへ登った7人は手を繋いで。
「以上、WakeUp,Girls!でした!ありがとうございました!」
マイクを通していないのに、充実感と誇りに満ちたその声はホールの最後方まではっきり聴こえた。
7人の姿が見えなくなってからもWakeUp,Girls!コールが鳴り止まない。アンコールの声が終わらない。主催から「本日のプログラムはすべて終了しました」のアナウンスがあっても有志たちは声を枯らし続けた。
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3時間を超える夢の終わり。
そのあとお見送り会があったんだけどあまり覚えてない。現実感がなかったことと、吉能とはライブ中からここまで一切目が合わなかったこと、まゆしぃには目を見て「ありがとう、お疲れ様」と言えたことくらいか。
Bゲートから外に出ると会場の周りに吹くのは早春を感じさせるまだ寒い夜風。ライブ中に散々泣いたからもう涙は出ないものの、持て余した感情をどう整理したものかと思案していたので、電車に乗るところでガムにバッタリ会ったのは驚いた。
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もう少しだけ続く。
これは事実だけど、明々白々な事実を並べるのは公式の記事に任せておけばいいね。自分がしたいことは調べれば分かることを記録しておくことじゃなくて、この日の自分しか分からない自分向けの記憶を留めておくことだから。WUGについて書く最後の日記になるかもしれないし、気が済むまでだらだら書くよ。
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WUGのことは放送前から知ってました。ガムをはじめ数人が盛り上がってたので。まあ自分は自分でラブライ部員だったので、別のアイドルアニメがはじまるんだふーんラブライブ!2期が4月からはじまるし、見比べてもいいかなくらいに思ってました。
2014年1月のTV放送時になると、実は結構楽しみにしてたらしいことが当時のつぶやきから分かりますね。
2013/12/20 マジかよ、WUG見たいのにBSで見られないのか……。んで、一回見たけど切ってる。
2015/1/15 WUGはOPまで見たけどパス。自分がアイドルアニメに求めるのはキラキラした女の子と、それを見守る優しい周囲による、夢のような空間でも、諦めきれてない。
WUGの公開劇場一覧、「関東・甲信越」の欄に甲信越地方の劇場が絶無なのは。
WUGについての評価がポジティブ・ネガティブ両方出てきて面白い。応援するにせよ完全disるにせよ、見送ったのはもったいなかった気もする。
BSのアニサマでWUGのステージ初めて見るんだけど、想像よりずっと踊れてるしちゃんとジャンプしてるし、普通のアイドルユニットみたい。それから、ハナヤマタ・ホムラジ経由でWUG声優に少しずつ詳しくなっていく。
アニソンClub。WUGとして歌ってるみにゃみ初めて見たけど、いい動きしてるなあ……
WUGのメンバーが別企画のニコ生に出てたりするけど、やっぱりWUGの人たちは一般の若手声優さんたちに比べてルックスいいね。かなり期間が空いて、灼熱の卓球娘EDでまだ活動してたことを知り、そして、“outlander rhapsody”に出会う
2016/12/4 WUGのCD買うのは初めてなんですが、僕らのフロンティア以外の2曲が大いに刺さったのでアルバム借りにいってきます。まあこのときはTSUTAYAにアルバム置いてない案件でそのままになってたんだけど。そして2017年1月(ちょうど舞台“青葉の記録”が終わった直後くらい)からぺらじを聴きはじめて、音泉のイベントで完全にハマる。
2017/2/19 昨日のイベントで決心がついたのでWUGのライブBDを注文しました。曲は全然知らないどころかアニメ本編見てないからキャラも分からないけれど。
日記やつぶやきを振り返るに、最初はハナヤマタのおかげか美海と香耶が気になってたようです。美海はラジオでうえしゃまの世話を焼くしっかり者イメージとかなり違ったのが新鮮だったし、香耶は2015年4月に行われたハナヤマタのイベントで既に釘付けになってました。なんかこの人ぜんぜん笑えてないけど大丈夫かな、ってハラハラしながら。
それからは加速度的に没入して、イベントから1週間で映画を見て、さらに1週経つ頃にはTV版・がーるZOO、続劇場版まで一気に消化。GWが終わったあたりで開催されたアニュータのライブイベントを経てWUGLOVEに加入。舞台のBDを見て、WakeUp,Radio!の過去放送回を全部聴いて、ツアーに参加して……。
本当に楽しい時間だった。ハマったのを音泉のイベントきっかけと定義すれば約2年間、本当に充実させてもらった。
だから、最後のライブではWUGに報いたい。今までは「見たい」「聴きたい」思いが強くて地蔵スタイル中心だったけど、最後は大声で叫ぼう跳ぼう手を振ろう。広いSSAでWUGちゃんが不安にならないように、想いを届けよう。
前日はそんな決意を秘めて床に就いたんですが、まあ眠れない。結局3時間くらい意識を失ってたらあっという間に朝。不安になりながらさいたま新都心へ向かうのでした。
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9:00の物販開始に合わせて8:10にSSAに着くと、ワグナーだけじゃなく普通に勤め人の姿が目立つ。しまったスーツ着てくれば偶然ライブ会場に来てしまった社会人を演出できて、他のワグナーに対して有利取れるのに……と悔やんでも後の祭り。このあたりの思考は完全に支離滅裂で意味不明なんだけど、なんなんでしょうね、隙あらばサラリーマンアピールしていくところとか。無職が怖いのか、いい歳してライブに行くことへの負い目があるのか。
けやきひろばの一角に固まって座り込んでる物販列と思しき集団は、あれ意外と少ないなと思ったらどうも12:00過ぎからの一般販売の方だったらしく、会員で公開リハーサルのチケット持ってるワグナー限定の列はSSAを囲むようにずーっと伸びてた。早足でホール外周を駆け上がり係員の支持に従って列に並ぶ。たまたま耳に入った無線の情報によれば、この時点で並んでるのは1288人。他のライブの物販初動人数は分からないけど、WUGが今までやってきたライブの規模を考えると相当な人数だ。
晴れているものの風が吹いたり日陰に入ると肌寒い中、10:20には売り場まであと少しというところに。そしてここでTシャツ全サイズ・Lvブロマイド・バッジ・リボンチャーム・トートバッグが完売との報が。正直、本当に聞き間違いかと思った。物販開始前に並んでたのにTシャツが全サイズ完売?自分の前に並んでた人間全員じゃなくせいぜい3/4が購入したと仮定しても、ライブの動員人数(13,000人)に対して用意した数が少なすぎやしないか?ブロマイドも前日までの10セット制限を急遽7セットに変更したのに……いや、急遽変更せざるを得ないほどにワグナーが集まったんだろうか。だとしたらこのやるせなさも少しは救われるかな(結局、この日の物販は会員限定・一般向けともに完全完売した)。
ところで、並んでる間は当然ヒマだったので、完全版がWebで公開されてるというファミ通に掲載されてたWUG7人へのインタビューを読みはじめたものの、これがすごいボリューム。延々スクロールしていって、いやあ長かったな、と思ったら「次のページ 1/5」とか表示されてるんだもの。この分量であと4ページ!?いや正確には2部に分けられてるからあと8ページもあるのかよ!っていう。パンフレットもHOMEツアーの3冊がどれもスッカスカだったから期待しないでおいたら全員にロングインタビュー敢行してて……嬉しいけどスタッフはバランスを考えよう。
残っているアイテムを漁るように購入した物販列を離れ、ライブ恒例の「8,000円以上購入されたお客様向けの特典(バッジ・ブロマイド・チケットホルダー)」引き換えスペースに向かうと、そこでもつづら折りの列。うげぇ、と思いはしたものの、いざ並んでみると、最後のライブに気合を入れてきたワグナーの格好が様々で、それを見てるとなぜだか並ぶのも苦にならない。背中に大きく「菊間夏夜」と書かれたハッピ、「灰になる準備はできてますか」パーカー、多いのは最新アイテムであるメンバー名前入りのパーカーだけど、寒々しくもツアーTにビブスを羽織ってる人だっている。TrySailの3人の大きなイラスト缶バッジをリュックに付けてる人やアイドルマスターミリオンライブ!シアターデイズのデフォルメキャラがたくさんくっついたバッグを持ち歩く人……いや後者2人は来るとこ間違ってない?大丈夫?
こぼれ話ではあるけれど、公開リハーサル開場前で面白かったのはAゲート手前に設置されたWUG7人の等身大パネルを写真に撮る人たちの列。自然発生したものなのに結構な長さになってて、開場前のWUGLOVE本人確認列だと勘違いしたファンが並ぶもんだからますます列は長く無秩序に蛇行する。スタッフも「本人確認でいらした方は列に並ばずAゲートへお進みください!」って声張ってたわ。しかもこれ、リハーサルが開場する頃には写真を撮る人の列・本人確認列・入場列でさらに無茶苦茶な事になってて駄目だった。
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公開リハーサルはチケットを購入したWUGLOVE会員だけが入れるものだから、アリーナと200レベルの前の方しか席が埋まってないという状態。ガランとした会場を見渡して出てくる言葉は「広いな……」であるべきなのかもしれないけど、この日は「意外と狭いな」と感じた。初SSAだった2011年は規模に圧倒されっぱなしだったけど、スタジアムモードじゃなければこんなものなんだな、という印象。
席はA2ブロックの端っこで、花道やセンターステージは見づらいけどメインステージはよく見える場所。本番がD4の一番後ろでWゲートの入場口から徒歩10秒だったことを考えればいい位置でしたね。
WUGちゃんたちは7 Senses衣装で登場し、「本番ではやらないけど折角だから」と、最後になる“止まらない未来”や“リトル・チャレンジャー”を披露。
“極上スマイル”では、吉能がワグナーにずっと訊きたかったこととして、「お箸の国へ~」を美海が唄ってる時のコールについて言及。最後くらい美海のロングトーンを聴けよな!ってことだったんだろうか、それとも純粋に疑問だったのか。自分はコール入れてなかったのでよく分かりませんね。
マイクテストを兼ねた熱唱のあと低い声でボソッと「メインの音量もう少しお願いします」と要求する香耶や、フォーメーションの立ち位置を入念に議論・チェックするうち「ワグナーさん置いてけぼりだけど大丈夫?」と愛ちゃんが気づく展開など、普段見られないリハーサルのフレーバーが味わえてよかったね。「ワグナーさんの前で歌えて緊張が溶けた!」とか「SSAってステージと客席が割と近いんだね!」と手を振ってくれたり、七海は「すごーい、いっぱい人がいるー。みなさんはこのあと(のライブ)も来るんですか?」とボケて雰囲気を和やかにしてみたり。
時間にしてだいたい1時間ほど。スタッフの「それではこれで公開リハーサルを終了します。みなさん5時間半後にお会いしましょう」の言葉でWUGちゃん退場。5時間半……5時間半かぁ……。
結局、大宮の漫画喫茶でDr.Stoneを読みつつ1時間ほど仮眠してから、再び歩いて会場へ。このときライトニングケーブルとプラグを漫画喫茶に忘れてきたのが地味に痛い。純正は高いよアップル。
開演前にはWUGの全シングル・アルバムのCMをスクリーンで流してくれて、懐かしい映像に次々と歓声が挙がった。影ナレでは美海が登場を熱望した早坂さんが「おイモちゃんたちもマッシュポテトのパルミジャーノ・レッジャーノ掛けくらいにはなったかな」と早坂さんらしい称賛を送る。「行ってこい!」「かましてらっしゃい!」という松田マネ・丹下社長の激を受けて、最後のライブの幕が上がった。
松田マネージャー役の浅沼晋太郎は女性関係で評判が良くないけど、嫌いじゃないんですよね。この日のフラスタも「祝 公演」「最後まで駆け抜けよう」ではなく、「祝 新たなる旅立ち」で送ってて胸が熱くなった。多くのフラスタが七種七色に彩られてて見た目にも綺麗だったからパシャパシャと撮ってると、新潟の三幸製菓によるものも。パンフレットに企画担当者がコメントを寄稿してたんだけど、この人WUGちゃん好きなんだなというのが伝わってきてここでもジーンときた。ファミ通やMay’n、鷲崎健たち、スタッフや業界人にも愛されたユニットだったね。
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以下、最後のセトリ。
影ナレ(丹下社長・松田マネージャー・早坂さん)
M01. タチアガレ!
M02. 16歳のアガペー
M03. 7 Girls War
MC
M04. ゆき模様 恋のもよう
M05. 言の葉 青葉
アニメ映像再編集版「7人のアイドル~Beyond the Bottom」
M06. One In A Billion
M07. 素顔でKISS ME
M08. 恋?で愛?で暴君です!
M09. キャラソンサビメドレー(トロッコ)
ハジマル/吉岡茉祐
可笑しの国/永野愛理
ステラ・ドライブ/青山吉能
スキ キライ ナイト/奥野香耶
オオカミとピアノ/山下七海
歌と魚とハダシとわたし/田中美海
WOO YEAH!/高木美佑
Non stop diamond hope/ALL
M10. ワグ・ズーズー(トロッコ)
ファミ通WUGちゃんねる・WakeUp,Girls!のがんばっぺレディオ コラボ映像
M11. HIGAWARI PRINCESS(全員ver.)
M12. スキノスキル
M13. 僕らのフロンティア
M14. 7 Senses(トロッコ)
M15. 極上スマイル(トロッコ)
WakeUp, Girls!に贈る言葉(I-1Club・Run Girls,Run!)
M16. 雫の冠
M17. 少女交響曲
M18. Beyond the Bottom
MC
M19. 海そしてシャッター通り
M20. 言葉の結晶
M21. 土曜日のフライト
M22. さようならのパレード
EN01. SHIFT
EN02. 地下鉄ラビリンス
EN03. TUNAGO
MC
W EN. Polaris
TriEN. タチアガレ!
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HOME TOURは今まで着てきた衣装が再登場してきたから、FINALはどうなるんだろうなと思ってたら7人が制服で登場!からの“タチアガレ!”!
これには、そうきたかァ~と思わずニンマリ。
“7 Girls War”は最後の超人大会で愛理が渾身のダンスを見せれば、吉能は「でもね一緒に流した涙は」を美海に散々いじられた「ファー」で表現して会場のボルテージをネクストステージへ。
“言の葉 青葉”は、KADODEで見せた階段に腰掛けてひとりずつ次の人に「何か」を手渡していく間奏中の振り付けが凄く良かったんだけど、SSAでは最後に仙台の光のページェントがスクリーンに映しだされる演出で、文字通り光に溢れてた。「頑張ってねと 簡単に 言えないよ」静謐の中で透明感と声量のあるまゆしぃのソロが胸に刺さる。
ここでWUGは一旦退場。スクリーンには7人のアイドル~Beyond the Bottomの再編集映像が流れる。早坂さんと白木さんの「買いかぶりすぎだ」「じゃあ出来すぎです」ってやりとり、いいよなあ。
そして衣装チェンジからの“One in A Billion”……はMay’nへの忖度を感じたな。これはWUGの曲ではない、って理解をしてるから。でもまあMay’n本人はFINAL LIVE、招待席ではなく自分でチケット取って他のワグナーと大騒ぎしたらしいからやっぱり愛してくれてありがとうだわ。
続いての“素顔でKISS ME”はずーっと嫌いな曲だったんだけど、ようやくこのSSAで好きになれたかな。赤い太文字で歌詞を表示させるというダサかった舞台演出がスマートになって。
この日はトロッコもかなり使われてた。1人1台のトロッコに7人が乗り込んでキャラソン7曲をサビだけで歌いつなぐメドレーがはじまったんだけど、目の前に来たメンバーに合わせてみんながワグナーブレードの色を変えるもんだから誰がどこにいるのかよく分かるし、単純に綺麗。締めの“Non stop diamond hope”は正直、曲の存在を完全に忘れてた。キャラソン3はライブでもやる機会が少なかったし、これから発売予定のBDにも収録されないのが残念だ。個人のイベントでいつか披露する機会が訪れたらいいな。
再びの暗転(衣装チェンジ)でスクリーンに流れるは「ファミ通WUGちゃんねる」と「がんばっぺレディオ」のコラボ映像。これは完全版がwebで公開されてる(https://www.nicovideo.jp/watch/1552012143)。
「ファイナルライブ中、真っ先に泣きそうな人は?」で全員が吉能の名前で揃ったのは実に微笑ましかったし、「ちょっと待て~~い。何だよ感情爆発野郎って」で会場は大爆笑。愛され系リーダーだったよ本当。
5周年衣装で見せる“僕らのフロンティア”は、これまで「みんなが感情をうまく歌に乗せる中、CDどおりにしか歌えないことに悩んでいた」美海が仙台でチャレンジした歌い方がSSAで大きく花開いたと思う。ゆっくりと突き上げる腕、絞り出すような「憧れの方へ この手伸ばした」の落ちサビが今でも耳に残ってて、解散後だってのに新たな魅力に気づかされた曲。
I-1 ClubとRGR!による贈る言葉は、無難なこと言ってるなって人とこの人は流石……って人とに別れた。「これからも変わらず輝き続ける北極星に」って差し込んできた明坂はすげえよ。
メモリアル衣装に着替えた7人による“Beyond th Bottom”は事前のインタビューでメンバーが「他の人に歌ってほしくない」とコメントしてたのを読んでたので、これが最後の披露になるんだな、という思いもあって胸に迫るものがあった。美海がセンターステージに移動しながら「WUG最高~!」って叫んだときに感じたのは嬉しさとか楽しさというよりは救いだったのかもしれないね、曲が終わっても涙が止まらなかったもの。
MCを挟んで、ここからは新曲4連荘。締めを予感させる曲ばっかりだし正直この段階で結構時間が経ってたはずなんだけど、当日のテンポと会場の熱のおかげか体感はまさに「いま来たばっかり!」。“海そしてシャッター通り”は淋しげで儚げなメロディーと歌声が会場をレトロでセピアな空間にしてしまった。スローテンポの曲ではサイリウムをリズムに合わせて上下や左右にゆっくり振る人も多いと思うんだけど、周囲にはただ掲げる人や聴き入る人の姿が多かったように思う。
“言葉の結晶”は熊本で2回聴いてた。大阪では最後にサイリウムを消灯するお約束が出来たって話だと思ったんだけどね。上手く行かなかったのは残念。ダンサブルなのにリズムが取りづらい、パッションを殺してプラスチックのように無機質な声でという難しい曲だから、BDが届いたら是非見直したい。最後の「あなたに 誰かに 聴いてほしいことがある」で今まで抑えてた感情が爆発するところと、それを越えた先にある「輝きだけが 言葉の絶唱」でスーッとライトが落ちてステージから光が消える演出は当日を思い出して絶対にゾクゾクするだろう。
“土曜日のフライト”は分かりやすく歌詞に力があった。金曜日のライブを終えてただ一人になったメンバーの緊張した面持ちと、無機質な空港のセキュリティにさえ「守られている安心で 心が解けていく」様子、「証明をしないと」と気負う姿が描かれる1番、「彼女」と出会ってしまっても「私のこと噂してたみたいね」「棘は抜いておいた」と淡々と飄々とした風を装い、「憎しみで大人にさせられても 少女たちはいつの日にか卒業していく」というセンセーショナルなメッセージの2番。その後も「忘れないで でも上手に忘れて」「悔しい 怖い 泣きたい もうそのレベルじゃない」という本音とも取れそうな慟哭に、聴いている方の心も乱されてしまう。
ただ“さようならのパレード”には、そこでかき混ぜられた心を全肯定して前向きに――それも元気よく歩きだすのではなく諦観と無常観の先にある「光のないディストピア」に連れて行ってくれるという救いがある。それはBtBで「さあ混沌となったこの自由から逃げ出そう」とワグナーの手を引いてくれたのと同質のものだと自分は感じたんですよね。それが2番では、死や逃走を思わせるようなメッセージが出会いへの感謝に変わっていく。「さようならはいやだよ」と言いつつ「またどこかの場所で そっと鍵を開ければ 勇気が溢れ出す」「だけど背中押すみたいに あなたのリズムが聴こえてる」「それは強い鼓動と 鳴り止まない命の音」。ここで出てくる「あなた」はワグナーと取ってもいいけど、側で支え合った他のメンバーのことだと解釈しているよ。“土曜日のフライト”では一人だけになってしまった心細さが全面に出ていたけども、起承転結の構造になっているという新曲群は最終的に「ずっとそばにいたこと 時空へと刻んで誇りに思う 進もう!」「極上の笑顔で」「また会いたいんだ」と結ばれる。聴き終わって涙が出るというよりは体から力が抜けてしまうような――陳腐でつまらない言い方をすれば、心も魂も持っていかれるような4曲だった。
この曲やったあとで何をやるんだろう、何ができるんだろう。という懸念を吹き飛ばしたのがアンコール1曲目の“SHIFT”!「成長したい 成長したい 認証されたい」というギラギラの歌い出しにワグナーも力強く「レッスン!レッスン!」というコールで答える。湿っぽいままで終われない!という決意表明は電車に見立てるようにトロッコを使った“地下鉄ラビリンス”に続いていく。間奏ではラップで客席を沸かせ、まゆしぃも愛ちゃんも「ここだけもう一回やりたい!」と顔をほころばせていたのは、確実に終わりが近づく中での笑顔なだけにワグナーサイドも嬉しくなる。「手をつなごう 心をつなごう」の振り付けで会場が一つになった“TUNAGO”でアンコールは終了となったものの、Wアンコールが巻き起こるのは当然の話だよね、最後の挨拶もしてないし。
会場の声に応えて再びの登場はPolaris衣装。歌う前にワグナーへの手紙を順番に読み上げるというシークエンスは1/28のミルキィホームズFINALを想起させるけど、よくあると言ってしまえばそれまでか。正真正銘、最後の最後だもの、誰だって伝え漏らしがないようにしたいよね。
美佑は周囲へ、ワグナーへ、スタッフへ、メンバーへと「ありがとう」の言葉をひたすらに重ねた。後半に「ありがとう!ありがとう!ありがとう!」と明るいトーンで3回重ねたところは、2週間前の仙台でかやたんが繰り返した「ありがとう」とのニュアンスの違い・二人のキャラクターの違いを感じたね。最後にうっかり噛んじゃって、即「噛んでません!」とはにかみながら訂正するところも美佑の可愛らしさだ。
「おかしいなー結構クるなー」と首をひねりながら話しはじめた七海は、いつもたくさんのお手紙をありがとうございます!私の存在を尊く思ってみたり、同じ時代に生まれ、生きていることに感謝してみたり……ワグナーさんのお手紙はいつも話が大きいですね!
と、相変わらずのちょっととぼけた調子で会場の爆笑を誘う。徳島の田舎の子がこんな風になれたことへの感謝と、それでも根本は変わらないこと、そして自分の核がWUGとともに在り、今日ファイナルを迎えても、関係なく私に根付いていますと語り、「だから、絶対つないでいく!」と今後の声優人生への決意を可愛くも力強い声で誓ってくれた。
泣き虫の美海はところどころ詰まりながら6年の思い出を振り返り、多くの出会いが自分を変えてくれたことへの感謝を語る。私を信じてこれからもついてきてください、極上の笑顔でまた会う日まで、ときっちり纏めるのは優等生の美海らしい。
まゆしぃは脚本を書いたり歌が好きになったりカッコいいと言われるようになったり……そんなWUGとしての人生が今日終わることに触れ、「正直、怖いです」と素直な気持ちを吐露。それでも、「やっぱこの7人、最強なんです(笑)」と不敵な笑みを浮かべ、同じスタートを切った仲間がみんな一緒にゴールして、これから別々の道を行くことは不安だけど目の前に広がる最高の景色が助けになってくれると語った。「忘れないで。ここにWUGがいたことを。みんなの中でWUGという存在がずっと輝ける思い出になってくれれば物語は続いていく」「だからあえて言わせてください。WakeUp,Girls!をこれからも宜しくお願いします!」
愛ちゃんは「今気づいてもらえなくてもいい、5年後10年後20年後にWUGって凄いグループだったと言ってもらえる自信があります」と、全力で走り抜いた6年への自信を滲ませ、「満開ばかりが魅力ではない桜のような人間になります」と決意表明。
かやたんは、「『岩手県から来ました、奥野香耶です』その瞬間、審査員全員のペンが動いた」という独特の出だしからメンバーへのメッセージを語った。美佑の声が好きでオーディションのときに声をこっそり録音したこと、ホテルで七海とラジオパーソナリティごっこをしていて、同じ部屋になるために口裏を合わせたこと、美海の男の子声が大好きだったこと、真剣な相談はいつもまゆしぃにしていたこと、夢を語り合った愛理、よっぴーはジョギング中に迷子になったエピソード……(笑)。
「4月以降みんなで一緒にご飯食べに行くときに私は行かないかもしれないけど、そういう人間なだけだから気にしないでね、フフ」と笑ってみせるところが最高に香耶だし、「活動をはじめてからずっと自分を出せなくて、まるで水面から半分だけ顔を出して呼吸をしているようでした」と当時の心細さを振り返りながら、「自分が輝ける瞬間=90%の人が理解出来ない行動をしている時」なのに、そんな自分を好きだと言ってくれるワグナー、理解しようとしてくれたメンバーへの感謝を重ねる。「これからも、みんなのことびっくりさせちゃうんだから!いつかまたみんなを東北に連れて行くから、その時がきたら是非遊びに
おでんせ」と可愛い発言と方言で決めるところがTHE・香耶。こんなん恋するわ。
最後の「私を声優にしてくれてありがとう」という菊間夏夜への言葉は複雑な思い(次のエントリで補足予定)に思いを馳せるとグッと来ますね。
吉能は声優の扉をようやく開けたと思ったのにしんどいことや挫折ばかりで悔しくて泣いて誰を頼ればいいか途方に暮れて、それでも辞めようとは思わなかったと告白。前々からWUGもワグナーもひっくるめてみんないつまでも一緒の家族だと言ってたから、そんな中決まった解散がショックだったこと、でも後悔しないためにありがとうもごめんなさいも大好きも残らず伝えたいと9ヶ月過ごしてきたと語る。そして「明日からは青山吉能の人生第2章がはじまります!みんなの人生も明日から第2章です!これからも元気で生きてください!」と吉能らしい前向きさで締めた。最初っからボロボロ泣いてて、何度も言葉に詰まりながらだったけど、最後は笑顔になるのが吉能であり、それはひょっとしたらWUGの在り方そのものなのかもしれない。
泣きっぱなしで“Polaris”できるのか?と思ったし、吉能は案の定はじめのうち声が出てなかったけど、「満天の星空を、ありがとう!」と叫ぶまゆしぃの想いは全ワグナーに届いたはずだし、「今日はじめてWUGのライブに来た人!」で挙手してた隣の人と肩を組んで「Lalalalala......」を歌うのは最高の気分だった。
ライブで極まれにやってくる、この時間が永遠に続くと無根拠に信じられる瞬間、そして振り返ったとき空気感さえ鮮明に思い出せる瞬間だった。
そしてトリプルアンコールに応えて出てきたWUGちゃんは、頼れるセンターが「そんなもんじゃねえだろ、まだまだ声出せるだろSSA!」と会場を煽りまくり、本当に最後となる「灰になる準備はできてますか!」で“タチアガレ!”を披露。何度も何度も聴いたイントロで自然と涙が出てきて、あと5分弱で本当に終わっちゃうんだなと自覚したのを最後に、記憶は「聴いて 聴いて 必死に歌うから 笑われてもいい 負けはしない」まで一気に飛ぶ。「タチアガレ!」の声でWUGもワグナーも会場が一つになって、間奏の激しいダンス、吉能の美しいファルセットが会場に染み込んでいく。
万雷の拍手に送られてステージの一番高いところへ登った7人は手を繋いで。
「以上、WakeUp,Girls!でした!ありがとうございました!」
マイクを通していないのに、充実感と誇りに満ちたその声はホールの最後方まではっきり聴こえた。
7人の姿が見えなくなってからもWakeUp,Girls!コールが鳴り止まない。アンコールの声が終わらない。主催から「本日のプログラムはすべて終了しました」のアナウンスがあっても有志たちは声を枯らし続けた。
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3時間を超える夢の終わり。
そのあとお見送り会があったんだけどあまり覚えてない。現実感がなかったことと、吉能とはライブ中からここまで一切目が合わなかったこと、まゆしぃには目を見て「ありがとう、お疲れ様」と言えたことくらいか。
Bゲートから外に出ると会場の周りに吹くのは早春を感じさせるまだ寒い夜風。ライブ中に散々泣いたからもう涙は出ないものの、持て余した感情をどう整理したものかと思案していたので、電車に乗るところでガムにバッタリ会ったのは驚いた。
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もう少しだけ続く。
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