国語入試問題必勝法(清水 義範)
2019年12月3日 読書評価:☆☆☆★★
ラノベ(オーフェン)を小説に含めていいなら5年ぶり、そうでないなら14年ぶり(「謎解きはディナーのあとで」で一発当てる前の東川篤哉が好きだった)に小説読んだわ。というか新オーフェンて女神未来(下)からあとも出てたんですね。うーん、今更読むか?原大陸編は絶望感すごくて読むのにパワー使うんだよなあ。
きっかけはオモコロのダ・ヴィンチ・恐山が好きな小説でこの本を挙げてたこと。
図書館に丁度あったし、タイトルからしてどんな内容か予想ができないから読んでみた。
☆★☆★☆★☆★☆★☆★
内容は表題作含む6篇からなる短編集。
どれも斬新な切り口でどこに連れてかれるか分からない、うすぼんやりした霧の中を歩くような話。惜しむらくはどれもこれもオチが弱い。というか作風なんだろう、霧が晴れたら自分がおっかなびっくり歩いてたのは見晴らしのいい平原だったかのような、あるいはボケ倒して最後までツッコミがない漫才を見せられたかのようなスッキリさせない読後感がある。
発行は1987年。現代が舞台ではないし時代劇でもない。ドラクエ3発売で列島が揺れる3ヶ月前の世界を垣間見ることができると考えると、不思議な時代だ。
☆★☆★☆★☆★☆★☆★
以下、各編の紹介。
・猿蟹合戦とは何か
太宰治は「お伽草子」でなぜ猿蟹合戦を取り上げなかったのか、子蟹が親の仇を討つという、軍国主義の日本で賛美されそうなテーマなのに。いや、だからこそ太宰の反骨精神が煌めいたのか?それだけではあるまい。猿蟹合戦がいかに驚くべきテーマを内包した作品なのかを「わたし」が論じていく。
・国語入試問題必勝法
国語って正解がふわふわしてるし、「作者の気持ちを答えろ」なんて作者でもないのに分かるわけないじゃん!と嘆く生徒のもとへやってきたのは国語試験問題のプロ。「入試で文章なんて読むな」と断言する先生の独特な指導のおかげで生徒の成績はみるみる伸びはじめ――?
・時代食堂の特別料理
流行っていない小さなレストラン。「わたし」がそこを訪れるとシェフとボーイは注文を取るでもなく一品を差し出してくれる。それは自分の記憶を呼び覚ます料理であり、口にするだけで意識は遠く過去へ遡っていく。そんな店を出すシェフの目的とは?
・靄の中の終章
起きて何時間も経つのに息子の嫁は朝ごはんを食べさせてくれない。自分を邪魔な老人だと思ってるんだろう、許せない。誰のおかげでこの家に住めると思っているんだ、と叱ったら「朝ごはんはさっき食べたでしょ」と。そんなバカな、自分はボケてしまったというのか、そんな筈はない。だいたい朝ごはんを食べてないから頭が回らないんだ。起きて何時間も経つのに息子の嫁は全く飯を用意しない。自分を邪魔な老人だと蔑んでいるに違いない……。
・ブガロンチョのルノアール風マルケロ酒煮
料理に関する小話を紹介しながらブロガンチョのルノアール風マルケロ酒煮を作っていく。最近はスーパーでブロガンチョが手に入るようになったし、ケケシラガもドビンガル料理の専門店には必ずと言っていいほど置いてある。あとは男の料理ということで大雑把にマルケロ酒をドボドボ注いで、煮込む時間でオードブルも作りましょうか。
・人間の風景
ポルノ作家の「わたし」のもとに老人4人が書いたリレー小説を評価してくれという依頼が舞い込む。小説など書いたことがない4人による合作は思いもよらぬ方向に進んで――?
☆★☆★☆★☆★☆★☆★
今後は小説もちょいちょい読んでいきたい。長編は人物の掘り下げを理解するのに疲れるから、純粋にお話の展開やギミックを楽しめる短編が好き。
ラノベ(オーフェン)を小説に含めていいなら5年ぶり、そうでないなら14年ぶり(「謎解きはディナーのあとで」で一発当てる前の東川篤哉が好きだった)に小説読んだわ。というか新オーフェンて女神未来(下)からあとも出てたんですね。うーん、今更読むか?原大陸編は絶望感すごくて読むのにパワー使うんだよなあ。
きっかけはオモコロのダ・ヴィンチ・恐山が好きな小説でこの本を挙げてたこと。
図書館に丁度あったし、タイトルからしてどんな内容か予想ができないから読んでみた。
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内容は表題作含む6篇からなる短編集。
どれも斬新な切り口でどこに連れてかれるか分からない、うすぼんやりした霧の中を歩くような話。惜しむらくはどれもこれもオチが弱い。というか作風なんだろう、霧が晴れたら自分がおっかなびっくり歩いてたのは見晴らしのいい平原だったかのような、あるいはボケ倒して最後までツッコミがない漫才を見せられたかのようなスッキリさせない読後感がある。
発行は1987年。現代が舞台ではないし時代劇でもない。ドラクエ3発売で列島が揺れる3ヶ月前の世界を垣間見ることができると考えると、不思議な時代だ。
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以下、各編の紹介。
・猿蟹合戦とは何か
太宰治は「お伽草子」でなぜ猿蟹合戦を取り上げなかったのか、子蟹が親の仇を討つという、軍国主義の日本で賛美されそうなテーマなのに。いや、だからこそ太宰の反骨精神が煌めいたのか?それだけではあるまい。猿蟹合戦がいかに驚くべきテーマを内包した作品なのかを「わたし」が論じていく。
・国語入試問題必勝法
国語って正解がふわふわしてるし、「作者の気持ちを答えろ」なんて作者でもないのに分かるわけないじゃん!と嘆く生徒のもとへやってきたのは国語試験問題のプロ。「入試で文章なんて読むな」と断言する先生の独特な指導のおかげで生徒の成績はみるみる伸びはじめ――?
・時代食堂の特別料理
流行っていない小さなレストラン。「わたし」がそこを訪れるとシェフとボーイは注文を取るでもなく一品を差し出してくれる。それは自分の記憶を呼び覚ます料理であり、口にするだけで意識は遠く過去へ遡っていく。そんな店を出すシェフの目的とは?
・靄の中の終章
起きて何時間も経つのに息子の嫁は朝ごはんを食べさせてくれない。自分を邪魔な老人だと思ってるんだろう、許せない。誰のおかげでこの家に住めると思っているんだ、と叱ったら「朝ごはんはさっき食べたでしょ」と。そんなバカな、自分はボケてしまったというのか、そんな筈はない。だいたい朝ごはんを食べてないから頭が回らないんだ。起きて何時間も経つのに息子の嫁は全く飯を用意しない。自分を邪魔な老人だと蔑んでいるに違いない……。
・ブガロンチョのルノアール風マルケロ酒煮
料理に関する小話を紹介しながらブロガンチョのルノアール風マルケロ酒煮を作っていく。最近はスーパーでブロガンチョが手に入るようになったし、ケケシラガもドビンガル料理の専門店には必ずと言っていいほど置いてある。あとは男の料理ということで大雑把にマルケロ酒をドボドボ注いで、煮込む時間でオードブルも作りましょうか。
・人間の風景
ポルノ作家の「わたし」のもとに老人4人が書いたリレー小説を評価してくれという依頼が舞い込む。小説など書いたことがない4人による合作は思いもよらぬ方向に進んで――?
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今後は小説もちょいちょい読んでいきたい。長編は人物の掘り下げを理解するのに疲れるから、純粋にお話の展開やギミックを楽しめる短編が好き。
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