入院した話

2020年7月12日 日常
6月上旬に左下奥歯が痛んでしょうがなかったので行きつけの歯医者を予約したものの、診察日まで我慢できずに職場近くのクリニックに飛び込んだ。うーん左下の親知らずの一部露出してるところが虫歯になってますねえ、初診ということでレントゲン撮りますか、で帰ってきた先生の顔が暗い。
左下で痛みを発する親知らずとは別に、右下で横向きに埋まってる親知らずが含歯性の嚢胞を形成してて、放っておくことが出来ないほど大きくなってるらしい。
「これはどっちも抜くしか無いですね、紹介状書きます」
「いや痛いのは左だけなんで……」
「むしろ危険なのは右側の埋まってるやつなんですよ」
「でも先生の見立てでは良性なんですよね、じゃあOKでは」
「良性って言い方で誤解される方がいますけど、病気だからね?冗談じゃなく」

あっという間に総合病院への紹介状を持たされ、3日後そこでもレントゲンを。
「あーこれは含歯性嚢胞ですね、うん、入院してもらって、手術しましょ。全身麻酔の経験、あります?」
「いやいや先生、ちょっと待ってください。良性の腫瘍ってことは方っておいてもいいんですよね(懲りない)」
「良性かどうか摘出しないことにはなんとも。というか良性でも病気ですからね。そもそも腫瘍がこれほど大きいのに自覚症状がない時点で看過は出来ません」
その日のうちに入院前の血液検査やらをして、約1ヶ月後に入院することになってしまった。ちょうど引っ越し時期に近く、引っ越し→引き渡し→エアコン取り付け→入院というスケジュールには職場の上司も引き気味。

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で、入院当日。PCR検査を済ませて(陰性)、4人部屋に通されるともうやることがない。仕方なくベッドに腰掛けてipadで漫画を読む。

○やがて君になる
侑と燈子先輩の関係はどうなってしまうの?燈子先輩はお姉さんの幻影と決別できるの?侑はまともな恋愛ができるの?と二人の成長をドキドキしながら見てたから、自分自身の存在をちゃんと認めることが出来た燈子先輩と、人を好きになれた侑の成長に目を細めてた。それなのに唐突にレズセックスがはじまって戸惑うことしきり。LGBTへの理解が全く無いのに百合漫画読んでる自分が悪いみたいなところはある。佐伯先輩すっごい好き。

○スナックバス江
絵に癖があるから避けてたけど、読んでみたらあるあるネタが心に刺さること。大人になったらスナックでミックスナッツをポリポリやりながら薄い水割りをちびちびやるような冴えない男になりたかった。ただ現実は厳しくて、スナックへ行く金があったらスーパーカップと爽を食べ比べたいし、そもそも人前で飲み食いするの好きじゃないし……という自分の人生のつまらなさを思い出して泣ける。

○すべての人類を破壊する。それらは再生できない。
MtGに熱中してたら文武両道・容姿端麗な同じクラスの高嶺の花もMtGプレイヤーだった!クラスのみんなには黙ってて、という彼女のために二人は秘密を共有する仲間として絆を深め、なんやかやあって別の学校のタイプの違う美少女にも好感を持たれ……とかいう、「学校にテロリスト」的な妄想をカタチにしましたみたいな漫画。
ミラージュ-テンペストブロック環境から話がはじまって、渋谷のDCIトーナメントセンターに行ったりMoMaと対峙することになったり……と20世紀末のMtGプレイヤーを取り巻く環境をかなりバッチリ描写してて懐かしいことこの上ない。それにしてもギャルっぽい格好をしてる切れ長の目をした黒髪のお嬢様とかオタクが絶対好きなやつじゃん。アイスでいうならチョコミントじゃん。これは例えとして適切なのか?

○放課後さいころ倶楽部
拗ねた感じの猫系短髪が好きなので奈央ちゃん好き。女の子がたくさん出てきてワイワイやるスタンダードきらら漫画かと思ったら、掲載誌はゲッサンだった。そんなわけでこの作者、ヘテロカップリングをやたら推してくるんだけど男は最小限にして欲しいんですよね、画面内にチンポが2本以上あることに耐えられないんだよ俺は。奇跡的な噛み合いとかご都合主義がボードゲームの盤面でも盤外でもちょいちょい起きるので作風は好み分かれそう。自分は好きじゃない。

○僕の心のヤバイやつ
もっとプラトニックな感じかと思ったらそんなことはなかった。どっちが山田でどっちが市川だったかまだ覚えてない。それでも面白いね。デカ女の内面描写を一切しないのが上手い。

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初日の夕食は刑務所だってもう少しマシなもの食べてるだろってくらい慎ましやか。プラスチックのプレートにちょこんと盛り付けられた肉とおひたしと漬物、具のない味噌汁と硬いご飯。食を楽しまない派ではあるが、この時点で健康に気を付けようと誓う。

カッチリ21時に消灯。周りの迷惑を考えて就寝モードに入るもなかなか寝付けず、24時を回るあたりで「やはり結婚しないといかんな、退院したら共済がやってる婚活サービスにでも登録しますかな、ハハハ」とか考えてて、思い返すと危ういフラグだ。

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翌日。
マジックテープで脱がせやすいパンツと袖やら腰やらがボタンになっててパーツごと外せる貫頭衣に着替え、歩いて手術室へ。ドアを開けるとやや広い部屋に医師たちが……というのを想像してたけど、実際ドアの先にあったのはタイル張りの廊下で、そこから枝分かれした先にいくつもの手術室がある形。映画館でもぎられた先の通路みたい。
立ち話をしている医師、指示を出す医師、せわしなく行き交う機械類や検査器具に圧倒されてるうちに名前確認があって、ベッドに横になるよう言われました。酸素吸入用のマスクを付けて、「点滴用に注射しますからねー痛いですよー」という看護師の声に「はいどうぞ……うぐわっ!痛っ!」と低く叫んだのが最後の記憶ですね。ガスを嗅がされてたらしいです。
次に目を覚ますと病室のベッドの上。頭は朦朧としてるし覚醒して3時間は起き上がっちゃ駄目、5時間は水飲んじゃ駄目、とにかく時間がすぎるのが遅い。左手に刺さった点滴の針は気になるし熱っぽいし(この日はずっと37.5℃超え)、30分ごとに看護師さんが検温・血圧・酸素濃度を計りに来るから気は休まらないし。
あと、これは自分の体質なんですけど血圧が低い上に脈拍が弱いんですよね。血圧は普段から90~48くらい、脈拍も60を超えることはまず無いからだいたい計り直しになる。ただしこの日の脈拍40は流石に驚いたと言うか、ブチャラティなんじゃないの俺って気にもなる。「不整脈ですね」って言われたのが怖いから、なんとか高血圧になって、走るとすぐドキドキする体質にならないと。とりあえず塩辛いラーメンをスープまで感触すればいいデブか?それって絶対に健康的じゃない気がするんデブけど。

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予定通り2泊3日で退院して3日経って、もらった薬も全部なくなったけど、まだ歯が痛い。幸い痛み止めのジクロフェナクとロブは前に別の病気で処方してもらったやつが余ってるから、抜糸が終わるまでは騙し騙し頑張るしかないな。

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