最近steamで購入したRPG。主人公の目つき悪いしPCゲーの割に懐かしのドット絵だからインディーズかと思ったら、一応メーカー品らしい。しかも日本産。マイナーかもしれんけど、実際にプレイしたら割といい出来だったから感想書くわ。隠れた名作だと思うから機会があればプレイしてみてもいいかもね。

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流石に嘘です。ただ、発売当時からアンチだったんですよねクロトリ。理由は2つ。
1.鳥山明の絵が嫌いだ(特にツリ目の男)
2.これのせいでエストポリス伝記2が「影に隠れた良作」扱いされる

1.についてはドラゴンボールが嫌いだったのが大きい。ドラゴンボールっていうか、大人になった悟空がね。目つき悪いし、父の方針で北斗の拳とかドラゴンボールとかキン肉マンとか男塾は野蛮だから駄目だされてたし。あと鳥山明は「エニックスでドラクエの絵を描いてる人」ってイメージが強かったからスクウェアのゲームでキャラデザやるのは背信だと感じてて、忌避感が強かった。

2.については、
クロノ・トリガー(1995/3/11発売)、エストポリス伝記2(1995/2/24発売)ということで、発売時期が近くなってもファミマガもマル勝スーパーファミコンも「機体の新作!」としてクロトリばっか取り上げるわけですよ。エスト2も丁寧に作られた作品に見えるのに……。オタクの性というか、こうなると、あーわかったわかった俺だけでもクロトリを徹底して嫌ってやるわってなるわけですね。

余談だけど、ずーっと続いてたエストポリス伝記2に対する妄執は、ニコ動の企画「みんなで決めるゲーム音楽ベスト100」第3回で「バトル#2」が1位に輝いたことで昇華された。でもDSのリメイクは許されないからやっぱスクエニは駄目だ。

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そんなクロノ・トリガーですが、最近になってプレイしてもいいかなと思いはじめました。理由は3つ。

1.エストポリス伝記2が一定の評価を得たことで嫌う理由も無くなった
2.YOUTUBEやニコ動のゲームBGM集などで一部の曲の良さを知った
3.ファミ通でMETALMAX2やエストポリス伝記2、ロマンシング・サガ2を差し置いて「平成最高のゲーム」とかいう評価をされてたので確かみてみたいと思った。

いやまあMMはどこまでも野党のゲームだから主流にはなれないしエストはライト層への訴求が弱いしロマサガ2は一見クソだけど仕様がわかってくるに連れ面白くなるスルメゲーという評価らしいし(確かに当時も初回プレイは詰んだ)、仕方ない面もある。SFC版を買うかなーPS版をダウンロードするかなーと思ってたところ、steamでセールされてたのでこれを購入。どうでもいいけどsteamのゲームにゲームパッドが使えるの初めて知った。考えてみれば不思議でもなんでもないんだけど。

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総評は後に回すとして、完全初見、攻略ページ参照無しでプレイしてみた。ほぼ詰まることなくクリアできたのはゲームバランスが易しめでかつ非常に練られていたことと、経験のおかげか。個人的にゲームをプレイするごとに蓄積される経験値には2種類あって、どちらも少しずつ溜まっていくものだと思ってる。
1.そのゲームに固有の経験
2.RPG、STGなどジャンル固有の経験
3.TVゲームに対する横断的な経験

3.について補足。例えばRPGなら家の中の机を調べる、マップ上の黒い部分に入れるかどうか確かめる、階段を降りてまっすぐ上に通路が続いてたら広間があってボスが居るetc...いわゆる「お約束」のこと。2.との違いは言語化するのが難しいけど、2.はより初歩的な「アイテムは装備しないと意味がありませんぞ」「生物系のボスは頭が弱点」みたいなものを指す……書いててますます違いが曖昧な気がしてきたぞ。

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ここからは内容を振り返っていきましょう。箇条書きが多くなりそう。

・千年祭のミニゲーム、コンフィグしたボタンと画面の表示が合わないもんだから非常に困った。X→A、Y→X、B→B、A→Yだったから大混乱。

・裁判に掛けられるシーンは「違っ……そんなつもりじゃ……!」の連続で胃に悪すぎた。これ有罪になったらBADEND?とか、全てうまくやったら無罪になってアイテムとか手に入る?(FF6のガストラ皇帝会食イベントを連想。向こうはすべての選択で正解を選ぶとギルとアイテムが2つ手に入った筈)マズった?とか考えちゃって。
っていうか弁当はともかく猫ってなんだよ!身に覚えがねーよ!

・刑務所から力づくで脱出するのは登場人物の思考が力isパワーに支配されすぎじゃない?と疑問に。言いがかりとはいえ司法手続きを踏んで服役してるんだから素直に従っておくべきでは……(Law思想)。

・スペッキオに勝てねえ……もう少し鍛えたら挑戦しよう。……こっちに合わせて強くなってるー!?(×n)結局、ゲームクリアまで一度も勝てなかった。

・早い段階で「サイラスという頼れる騎士が行方不明」って情報から、ははーんカエル=サイラスだなと思ってたので、別人で、しかもサイラスに命を救われた(サイラスの死にあって動くことさえ出来なかった弱者)という流れには驚いた。これは人気出るキャラだな……と一人で納得。

・魔王城で敵が転がってくるところが完全にドンキーコング。

・ジールのMAPで「時の回廊」が流れたときはニヤニヤしちゃった。ボスのゴーレムはこちらの攻撃に合わせて攻撃方法を変えてくる敵で、全体攻撃を仕掛けてくる魔法モード相手に全滅しそうになったけど、HPに割合ダメージ→単体大ダメージの物理モード相手にフェニ尾を使いながら粘って勝利。

・ダルトンゴーレム×2で初の全滅。1回目と同様に物理モードにしてしまえば……と思ったら向こうは2体いるせいで回復が追いつかなかった。単体ダメージを繰り返して1体ずつ処理。

・砂漠の地下でボス相手に全体攻撃したらあっさりコアが壊れて「おっ、楽勝かな?」と思ったら上半身と下半身が発狂モードで猛攻を仕掛けてきて2度目の全滅。

・タイトル回収……のタイミングですべての時代・すべての空を飛び回れるようになったせいで、アイテム回収・イベント消化のために忘れ去られる主人公。クロノ復活のシーンでマールがヒロイン面してたけど、君フラグ立ててた?

・未来で何気なく入った建物で出てきた炎系のボスがとにかくやばくて、クロノ以外瞬殺された。ただしクロノは炎ダメージ吸収の鎧をつけてたために勝ち確だったのが酷い。時間はひたすらかかった。

・対ラスボスはシルバードの時間移動でAD.1999に向かったもんだからラストダンジョンらしい黒の夢と王蟲モードのラヴォスは全く手つかずだったわ。

・ラヴォスが邪王炎殺黒龍波を使ってきたと思ったら邪影闘気殺炎だった。これスタッフは狙ってるよね?

・ラスボスはターゲットが3つ出てきてコアは中心の人型じゃなくてビット状の右側ってのが、裏を掻かれた感じで嬉しい。

ラストセーブは21:12。レベルは49。メインPTはエイラ(攻撃・盗み・カエルとの合体技で大回復)、クロノ(攻撃)・カエル(ヒールで回復・サブアタッカー)。クロノがいない間はロボが攻撃を担当。12時間くらいで海底神殿に突入したときは展開早すぎない?って思ったが、クロノが抜けて移動が自由になってから7時間くらいウロウロしてたことになる。初プレイならでは。

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キャラクター雑感など。

・クロノ
素早いうえに攻撃力が高くて魔法も強いとかいう万能キャラだった。終盤はゴールドピアスつけて開幕シャイニングで雑魚戦はほぼ終了。難点は鳥山明デザインだからムービーだと目付きが悪いことくらい。

・マール
未来編でロボが仲間になってマールとルッカのどっちを連れて行くか?というシーンで「ロボと関連ありそうだしルッカを」という選択をしてからは、スペッキオ相手に魔法を覚えるところとガルディア城のイベントくらいでしか使わなかった。このゲーム、回復アイテムが強い(好みのデザイン。逆にドラクエはずっとHP回復がやくそうのみで、最近になって種類が増えたものの合成でしか手に入らなかったりメニューでの連続使用が出来なかったりで大いに不満)から、終盤までヒーラーがいなくてもどうにかなるし、後で仲間になるキャラがだいたい回復手段を持ってるのも不憫だった。
クロノ復活シーンやEDでヒロインムーブされても、とにかく反応に困る。

・ルッカ
95年当時「アラレちゃんじゃんw」
20年現在「kwsm弁護士が好きそう……」
キャラとしてはあまり強く感じなかったから中盤以降ずっと控えだったけど、緑化ロボ復帰で過去に戻ってご安全に!案件をやり直したいってイベントと、EDでロボが抜けるシーンのやりとりが無茶苦茶に良かったのでお気に入り。母の怪我は貰えるアイテムが変化するかも、と思ってやり直しちゃったけど、過去は変えられなかったってビターエンドにした方がお話として綺麗だった。

・ロボ
脚が遅すぎる&魔法に弱すぎるせいで使う気にならなかったけど、クロノの代わりに起用して反撃の指輪を装備させたら光った。回復も全体魔法も単体攻撃もこなす万能ぶり。ただし魔法ダメージが最後まで痛すぎたのでレギュラー入りはならず。
工場跡で兄弟に殴られて機能停止するシーンや緑化イベント等、印象的なイベントに恵まれてた。スクウェアの味方ロボって、マーシー(聖剣伝説)といい、可愛いね。

・カエル
グランドリオン入手直後はアタッカーが出来るけど徐々にヒーラーになっていき、最終的には単体だと決め手にかけるという中途半端なキャラだったと思う。ただ、ヒールには何度も何度も助けられたからとりあえずPTに入れてた。

・エイラ
魔法攻撃が割と不遇なゲームなので、単体物理ばっかり覚えるキャラとして非常に頼れた。連携も強くて、クロノとのハヤブサ斬りのダメージは雑魚散らしやお供連れのボスに刺さり、カエルとのベロロンキッスでPTの危機を何度も救った。中盤で盗みを覚えてからは初見の雑魚やボス相手にとりあえず盗んでみるという行動を取るためPTに不可欠な存在に。EDでマールの祖先?疑惑が出てきたけど、66000年も前だとほぼ他人だと思うわ。

・魔王
連携攻撃が使えない、全体魔法ばっかり覚える(魔法に対してカウンターを仕掛けてくる敵が多すぎる)、打たれ弱い、とまあ扱いづらいキャラだった。魔王ってくらいだから起用万能かと期待したものの、ほぼベンチ。

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好きな曲など。

ガルディア城~勇気と誇り~:
初めて聴いたけど、メイン旋律の繰り返しが勇壮でカッコいい。この曲聴きたさで少しの間パッド操作を放棄したレベル。

時の回廊:
有名すぎて外したいけど、これを入れないのは嘘になる。

封印の扉:
未来編の悲しい雰囲気と、扉の奥で明かされる事実がマッチして印象的。ザ・植松曲って感じだ。

シルバード~時を渡る翼~:
RPGツクールの汎用曲っぽいって言って共感が得られるだろうか。

当たり前かもしれないけど、全体的にレベル高かったです。フィールドやイベント曲、ダンジョン曲も。カエルのテーマなんかは人気あるんだろうな~とか思いながら聴いてた。タイトルを冠するクロノ・トリガーなんかもワクワク感が最高。

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プレイしてて強く感じたのが、SFC末期の名作というよりPS時代のRPGとSFC時代のRPGを繋ぐ作品だな、ということ。
個人的な意見だけど、SFCとPSのRPGに見られる特徴として以下のものを挙げたい。

移動
SFC:上下左右
PS:斜め移動あり

調べるコマンド
SFC:チップごとに判定(チップ1マスずれると反応しない)
PS:半キャラずらしが発生するため反応はファジー

装備欄
SFC:右手・左手・頭・体・小手・脚・アクセサリー1・アクセサリー2など複雑化
PS:武器・頭・体・アクセサリーくらいで単純化

武器
SFC:個人ごとに装備可能武器種が複数(騎士は槍・剣が装備可能、など)
PS:装備品のユニーク化

魔法
SFC:とにかく数が多い
PS:覚えるのは一人につき5~10個くらい

状態異常
SFC:死亡・気絶・毒・猛毒・麻痺・混乱・暴走・魅了・封印・呪い・石・怪物化などやたら多い上に治療には対応するアイテムが必要
PS:戦闘不能・毒・魅了・封印・混乱程度に抑えられ、バッドステータス回復アイテムは1つに集約

ストーリー
SFC:多くのイベントをこなしてラスボスへ
PS:本筋はそこそこでサブイベントが豊富

戦闘
SFC:敵の種類は多く、同時に出現する敵も多く
PS:敵の種類は1つのダンジョンにつき3~4種、同時出現も3~4体程度

……まあ、これ以上書き連ねなくてもお気付きの通り、SFCで複雑精緻が極まったRPGを単純化して裾野を広げたのがPS時代のRPGだと考えてます。SFCのRPGの最たるものが、バッドステータス種類多すぎ&魔法の種類多すぎな真・女神転生シリーズや、装備部位多すぎアイテム豊富すぎなエストポリス伝記2だとして、クロノ・トリガーは上記の条件だとほぼPS寄りのゲームで、実際のプレイ感覚はワイルドアームズ1・2にかなり近いものを感じた。

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で、クロノ・トリガーが「平成最高のゲーム」として納得いくものだったかというと、大事なのはゲームの出来よりも、それが青春の思い出とともにあったかどうかだなと強く感じた。2週間集中してクリアしたばっかりなのにクロノ・トリガーのボスはあんまり覚えてないけど、METALMAX2やエストポリス伝記2は最初の町からどう進んでどのあたりにダンジョンがあってボスは誰で……ってのを今でも鮮明に思い出せるから。
なので個人的な位置づけは「複雑化していたJRPG本来の面白さを引き出し、PS以降にバトンタッチした記念碑的作品」となる。一方でエストポリス伝記2を「SFC末期を象徴する大作RPG」と表現するのは贔屓の引き倒しだろうか。

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次はsteamでクロノ・トリガーと一緒に買った428をプレイしようかな。サウンドノベル大好きマンとして気になってたけど、おまけシナリオを奈須きのこが書いてると聞いてあーだったら自分は絶対にプレイしないぞと決めた(こんなのばっかだな)作品。でもまあ、そろそろ自分の偏狭な価値観を許してもいい頃だ。

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